ふるさと

僕が生まれ育った
変わらないはずの
このふるさとに
見知らぬ建物が増え、
どこか置いてかれた気がしたんだ

走る電車も流れる川も
時に逆らいもがく僕も
全部が全部ここに
ずっと居られる訳じゃなくて
流されながら生きている

あのころ好きだった君は
太陽の匂いがしたんだよな
だから晴れの日は
君を思い出しては泣いていた

君と出会って、
僕は生きることの難しさを知った
強くなれる理由は、確かに君にあった


突然の雨粒がアスファルトを襲い、
独特辺りに独特の臭いが立ち込める

雨に打たれたアジサイの花は青く光る

あの頃の君の隣を歩きたい

1人で歩く君にそっと傘をさしてあげるんだ

今なら言える気がする

きっと僕に笑ってくれる気がする

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