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好きだった、あの花。

湿度のある空気

青い空を覆う排気ガス

その下には南国特有の花々が犇いて

そうだ、私が好きだったのは気から垂れ下がるようにして咲くあの黄色い花

私は確かにあの場所にいた

もう戻れないあの場所に

いつも私に笑顔を向けてくれていた、あの人達は元気だろうか

ふと思う

雨の後に出来る澱んだ水溜りでさえも

今は懐かしい

うっかり足を入れてしまうと、病気になるとさえ言われた水溜り

最初こそ気をつけていたものの

いつの間にか現地の人と同様に足をつっこんで平気な顔をしていた

今は帰れない、あの時間に

思いを馳せる

いつの日か、また、再会出来ることを願いながら。

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