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育児とつづき⑥

家族と向き合うタイミングの4つのサイン
今まで、家族と向き合い、人生をどう生きたいかを考え実践してきた人たちにインタビューをしてきました。その中には育休を取った人もいれば、あえて取らなかった人もいますが、それらの人に共通するのは「家族と向き合うターニングポイントがあった」ということです。

何もないのに「よし、今日から家族との関わり方を見直そう」と思った人はおらず、意識している/していないに関わず、振り返ってみると、あれが家族と向き合うタイミングだったなというものがありました。これからどのようなものがあったか、ざっと見ていきましょう。

①子どもが生まれた
子どもが生まれるとき、一時的にせよパートナーは妊娠、出産によって行動を制限されます。逆に男性の場合は体の変化がないため、行動を制限するかどうかは、最終的には本人の意思に任せられます。

また、子どもがいないときはお互い時間を自由に使うことができました。しかし子どもが生まれると、子育てをする時間がまずあって、残った時間をどう使おうか?という発想になります。

外部サービスを利用するにしても、子育てに関わる時間が夫婦でゼロ、というのは基本的にはありえません。少なくとも夫婦のどちらかが子育てに時間を使います。そのときに、どちらの時間を使うのか、もしくは両方の時間を使うのか、必然的に考えざるを得ない状況がきます。

そこでどちらか一方の時間をフルに使って子育てをやってもいいと思うのですが、そのときに家族みんなが幸せか、誰かがつらい思いをしていないかを考えるようになった人が少なくありませんでした。

②体の変化
家族も仕事も大切にしたいと思うのは、多くの人の望みでした。しかし任される仕事が大きくなり長時間の残業をしてなんとか乗り切れるという状況、また、慢性的な人手不足により長時間労働が常態化している。

そんな状況の中、子どもとの関りは減る一方。しかも仕事での不満を家庭に持ち込んでしまう。そんな悪循環が続き、自分もパートナーもボロボロになり、体に変化が出てきた人もいました。そんな体のサインに気づき、それまでの家族や仕事との向き合い方を考え直した人も少なくありませんでした。

③男性が育休を取った
妊娠、出産によって一時的にせよ仕事から離れる女性に対し、男性は仕事から離れて育児に専念するかどうかを選択することができます。

もちろん、仕事を続けながら育児に関わる半育休(育休を取得しつつ、短時間業務するスタイル。小泉進次郎大臣がこれに近い)をする人もいれば、仕事から離れることなく、残った時間で育児に関わる人もいます。

女性は一時的にせよ仕事から離れるので、復帰する/しないを含めて、家族や仕事との向きい方を必然的に考えざるを得ない状況になります。男性で育休を取得した人は仕事から離れて育児に専念するため、こちらもまた、復帰後の仕事との付き合い方を必然的に考えるようになります。

復帰後も以前と同じような働き方をするのか、または子どもが幼いうちは働き方を変化させるのか。もちろん育休を取らなくても家族や仕事とバランスを考える人もいますが、育休を取った男性は半ば強制的に考えざるを得ないタイミングがやってきます。

④パートナーからの言葉

「私は子育てに時間を取られているのに、なぜあなただけ自由に働けるの?」以前は専業主婦という家族の形が多く、夫は外で働き妻は家庭を守るという考え方に違和感を持つ人は多くありませんでした。

しかし共働きが珍しくない現代においては、夫が家庭を守り、妻が外で働くという形も可能です。こと女性の方が収入が多かったり、男性の方が働き方に柔軟だったりすると、男性が家事育児をメインにやり、女性が仕事をメインにやる、という関わり方も問題ありません。

このような考え方に違和感をもつようであれば、もしかしたら、誰か、身近な人の考え方にとらわれているかもしれません。パートナーからの言葉は、家族と向き合うタイミングを教えてくれる可能性を秘めています。

私の場合、第三子のときに育休を取ったことが、家族との向き合い方を考える大きなきっかけとなりました。一人目や二人目のときは育休を取るという発想すらなかったですし、仮に育休という発想が出てきたとしても、仕事のことを考えると取れなかったと思います。

ただでさえ多い通常業務に加え、育休明けにそれまでにたまった仕事が重なることを想像すると、育休を取ることがかえって自分を苦しめる気がしました。

ただ、第三子のときに育休を取ったことで、仕事との関わり方、そして家族との関わり方に向き合うことができました。そうすることで自分に一本の軸ができ、どんな人生を過ごしたいか、またどうありたいかを、悩みながらですが、自分なりに見つけることができました。

ここまで

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