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さんかく窓の外側は夜

「SNSという貯金箱は、”穢れ”で溢れかえっている」

◎SNS上に溢れかえる言霊という”穢れ”

監督がこの映画で、観ている人に一番伝えたいメッセージ性は、きっと痛いほど今の時代だからこそ心に伝わってくると思う。
今の世の中、SNS時代。
そんな便利で広大なツール上で、誹謗中傷や汚い言葉、それらの作品でいう”穢れ”は、ゆくゆくは自分に返ってくる。
それに気づかず、見えないところから刺してくる人間は、幽霊なんかよりもずっと怖い。
言霊というのが存在するんだから、人を貶すのではなく、褒めるために言葉を使えば、愛ある言葉も、愛として自分に返ってくる。
言葉の価値を下げるような行為をするな。
そういった思いがひしひし伝わってくる映画だった。
(ただし、パンフレットを読んでだが←汗)

◎個性的芸術性と若手俳優陣

この映画の特徴の一つとして、芸術性高いビジュアルがある。
ファッションしかり、セットしかりその一つ一つがオシャで、でも変に格好つけているわけではないから良かった。
それに相まって、ずっと真夜中でいいのに。のオープニング、主題歌もあり、センスを感じた。
良く言えばアーティスティックだし、悪く言えばMV・CMっぽい。
役者陣に関して、岡田将生×志尊淳のタッグはBL好きはたまらんのではなかろうか。原作がホラー×BLという今までの映画にはない新ジャンルで、映画内でもBL要素は少々ではあるが、小さじ一杯ではあるが、それを匂わすようなシーンはいくつかあるので、そういうのが好きな人はいいんじゃないかな。
そして、この人、平手友梨奈。
「響 HIBIKI」では圧倒的存在感で観るものを屈服させた彼女だが、今作ではどうだったのか。
クールでミステリアス、不安定で周りとは違った雰囲気がまた非浦英莉可というキャラクターとマッチしてこれまたシンクロ率400%!
だから演技というよりか、空気感が凄く合ってた印象。

作品のメッセージ性が伝わったとき、この三人をキャスティングしたことは見事だなと感心した。
SNSをフル活用している多くは若者で、これから先も長く付き合うのは確実で。そんな若者に是非とも届いてほしいメッセージ性なので、岡田将生×志尊淳の女子人気高すぎコンビと、平手友梨奈という注目度120%のトレンドを起用することで、若い人たちが劇場に集まる。
素晴らしい方程式だ。

とここまで、この作品のいいところを書いてきたが、個人的にはそこまでハマらなかった作品だった。
ストーリーも、前半は異能力謎解き展開で良かったんだけど、話がどんどん進むにつれて、凄いややこしくなっていったのと、霊とか呪いは全然いいんだけど、宗教絡んできた時点で結構興ざめしてしまった。今の時代そんな胡散臭い宗教団体出てきても、現実味無いし馬鹿らしくて気持ち悪いだけで、映画にのめり込めなくなっていった。
ただ、メッセージ性は凄く良いと思ったから、特に若い世代に観てほしい一本。

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