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英国でフルタイムの仕事をゲットできた理由

こんなご時世の中、イギリスでフルタイムの仕事のオファーを先日頂くことができた。
経緯を振り返り、理由を考えてみた。

オファーまでの日程感

ぼくは2020年9月30日にYMS(就労可能ビザ)でイギリスに入国した。そこからロンドン市内のホテルを転々としながら住むところを探し、家が決まったのは約2週間後。なので10月半ばあたりから、どんな仕事があるのかなと探し始めていた。

今回のオファーに関しては以下のような日程感だった。

11月6日:LinkedIn経由で企業の採用担当者から直メッセージ
11月9日:一次面接(1st Interview)
11月10日:試験(Assessment)
11月18日:最終面接(Final Interview)
11月20日:口頭+メールでオファー決定
11月27日:内定通知書(Offer Letter)
12月3日:雇用契約締結(Contract of Employment)

ということで、最終的には約1か月かかった。ただOKもらったのは20日なので、実質的には2週間とも言える。仕事スタートは2021年1月4日からだ。

オファー企業&仕事

今回オファーを頂いたのは、WeLocalizeという企業だ。

https://www.welocalize.com/

本社はアメリカ・ニューヨークで世界に10拠点ほどあり、コンテンツとデータまわりで色々サービスを展開し、顧客にはDisney、Dell、Uberがいるようだ。仕事について詳しいことはNDAの関係で書けないが、バイリンガルメタデータスペシャリスト(Bilingual Metadata Specialist)というポジションで、映画やドラマのメタデータを日英両言語で抽出し整合する役割だ。12ヶ月間契約(12 month fixed term contract)で、個人的にはありがたいことに全てリモートで完了する仕事となる。

オファー頂けた理由3つ

オファーに至った理由を3つ、ぼくなりにまとめてみた。

1.LinkedIn登録

世界最大のビジネスSNSに登録していなかったら、採用担当者からメッセージを頂いていない。またこの会社&ポジションについてすら知り得なかった可能性がある。ということで、LinkedIn登録は今回必須の要素だった。

オファーをもらった後、その採用担当者に「どうやってぼくを見つけたか?」が気になったので聞いてみた。そうしたら、「イギリスにいる日本人で検索しその中から見つけた」、という答えが返ってきた。おそらくLinkedInには採用担当者やエージェント専用のページでそういうピンポイントで人を検索できる機能があるのだろう。つまり、「イギリス在住」「日本人」の基本情報を載せるだけで、「弊社でこういう仕事あるんですけど興味ありますか?」と、企業側から声をかけてもらうチャンスが生まれるというわけだ。これだけで一次面接の資格は実質得ているので楽である。自分の経歴もちゃんと載せておくと、声をかけられる可能性はさらに上がるはずだ。

その関連で感じたのは、日本人であることの優位性。今イギリスにいる10代20代30代の日本人が一体何人いるかは分からない。しかし中国人と比べれば、圧倒的に少ないのは考えるまでもない。肌感覚としては韓国人よりもきっと少ない。つまり、今イギリスという国では、日本語という言語をネイティブに操れる人同士の競争が少ない。海外では日本人というだけで希少性がある時代だ。

2.英語でのビデオ通話慣れ

面接は全てビデオ通話だった。そして全て英語だった。最近ワクチンが開発された素晴らしいニュースがあったが、じゃあ対面面接に戻しましょう、とはすぐには考えにくい。なのでもし日本語面接オンリーの企業以外を目指すなら、英語でのビデオ通話に慣れてた方がベターだと思う。

ぼくは今でもビデオ通話はむずかしいなぁと感じる時がある。面接は場数が重要と思っているのだが、今回のオファーをもらう前の状況でいうと、10月半ばあたりからちょこちょこと5、6社ほど応募した中、1社だけ企業専属のエージェントの方1人と1時間話したくらいなので、全然場数はなかった。

しかし企業面接以外の環境で、ビデオ通話をけっこう使っていたのが功を奏したかもしれない。8月くらいからDuolingoのMeetupで海外の人とZoom経由で英会話したり、また個人のクリエイター活動で香港や台湾のアーティストとZoomでやり取りする。この2つは面接ではないが、考えさせられる質問を英語でもらうときが往々にしてある。ビデオ通話の中で英語で質問を受けてその場で考えて答える、という訓練をやっていたのは、今回の面接で役に立ったと思う。完璧な面接対応ができたわけではないと振り返るが、結果及第点にもっていけたので問題ない。

ビデオ通話はノイズがあって声が聞き取りにくい。また日本人が言うのはなんだが、英語の訛りがきつい相手だとなおさらだ。イギリス英語は個人的に訛りを強く感じていたので、ビザが決まった今年2月から、Podcastで聞いていた英語ニュースをアメリカメディアからイギリスメディアに変えていたのだが、それが1%程度は今回のオファーに寄与したかもしれない。イギリス英語にも慣れである。

3.CVがキー

CV or resume(履歴書)は重要だ。応募する際に当然必須だし、LinkedInに登録する情報もCVがベースになるはず。また面接内でも、CVの情報をベースに質問されたことが多かった。英語で作る際は特に手間がかかる代物だが、これは手間をかけるべきものだと実感した。

ぼくは2014年から2019年までの5年間、東京で4社経験しそれぞれ違う職種だったので、CVもその分長く、聞かれることが良くも悪くも多い。しかしそんな典型ジョブホッパーなぼくにも、最終面接ではぼくの経歴にそれぞれ一つずつ丁寧に触れて頂き、質問を頂いた。それらに対し、甘噛みしつつも丁寧に答えていった感じだ。面接での質問内容は会社によるだろうが、今回はどちらかというとオーソドックスな質問タイプだったので、そうなるとCVに関する割合が大きくなる。CVの内容と応募した仕事内容、ここを上手くリンクして説明できるのが重要だ。

ちなみに、最終面接で質問攻撃を受け終わった後、「なにか質問ありますか?」と定番の質問をされたので質問したが、それがあまり盛り上がらなかったので、なんかこのままでは終わりたくないな、と思い、一次試験の後に実施した試験について自分の感想を話してみたら、それが先方が聞きたかったことのようで一笑いを作れて良いムードで終われた。一笑いが実際にあったのか、良いムードだったのか、この辺は特に完全にぼくの主観なので、実際どうだったかは分からない。でも個人的に、まあこれで落ちたら仕方ないか、という感情で終えられたから良いのだ。

最後に。

というわけで、イギリスで働くことに興味がある方は、ひとまずLinkedInを登録しておくことをおすすめする。ぼくみたいにラッキーが転がり込む可能性がある。もちろん自分から企業にアプローチする際にも有効なツールだろう。企業が発信する一次情報を得るのにも使える。

https://www.linkedin.com/in/nari-koizumi/

LinkedInは始めた当初は誰も知り合いがいないので寂しい。なんならぼくは今でも10数人しかいない。ずっと日系企業に勤めていたから仕方ないとはいえだ。しかしそんなぼくでも情報を登録していれば、見つけて連絡してくれる企業は存在することを今回証明できたのが嬉しい。また1つインターネットのつながりに感謝である。

小泉成文 (Narifumi Koizumi)

大好きな横浜名物シウマイ弁当を食べる時、人生であと何回食べられるんだろう。。と考えます