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美味しい水とは:半導体の超純水

美味しい水とは。

事の発端は10月に書いたとおりだが、イギリスメディアSkyのPodcastで「イギリスが世界最高の飲み水」とか仰っていたことに引っかかったからだ。

まずもって、「イギリスが世界最高の飲み水」なわけがないと思うが、そもそも美味しい水とは何かが気になった。

山、硬水軟水、ミネラル、イメージ(ブランディング)。このあたりが美味しい水かどうかを決める要素と考えている。

しかしその前に、半導体に水が極めて大事であることを書きたい。
なぜ美味しい水とは関係なさそうな半導体についてか。

半導体の製造工程の3割は洗浄作業が占めるといわれる。なぜか。微細な半導体を作る各工程で、微細なゴミが付着し、その度に洗う必要があるからだ。そして洗ってくれるそもそもの水が綺麗でないと、水の中のゴミが付着してしまう。そのために半導体の洗浄に使う水は、超純水でないといけないようだ。

超純水とは何か。以下に分かりやすい説明があった。

【不純物の一例】よく50mプールで例えることがあります。
・水道水  不純物の量ドラム缶2本~数本分
・純水   不純物の量はコップ1杯分
・超純水  不純物の量は耳かき1さじ分

三菱ケミカルアクア‧ソリューションズ 半導体製造を水で支える

一見、「水道水汚なっ」と思うが、比率としては相当低いはず。
50mプールの容積は2,500,000 L(2,500 m3)だ。ドラム缶1つで一般的に200L。なのでドラム缶2本だと0.016%となる。
ドラム缶の中身が仮にコーラだろうが下剤だろうが全て50mプールにぶちまけたとしても、しっかり希釈化されるなら、人間は何の味も感じず人体には影響を及ぼさない、だろうか。

0.016%とは。全世界の人口は2023年時点で80億人らしい(なんかいつの間にかすごい増えていた)。80億人の0.016%は1,280,000人だ。山口県の人口くらいのようだ。世界中の人にランダムに住んでいる場所を聞いて山口県と答える人を見つけるのは至難だ。1億人ちょい存在する日本人に限定して聞いたとしても簡単ではない。それくらいの低い割合である。

そういえば、今年の夏に川崎市の学校でプールの水を流しっぱなしで水道代が大変なことになった事故があった。

5日間注水し続けたことで、プール約6杯分に当たる約2,200㎥の水を流出させた事故が発生しました。また、損害額約190万円の5割相当額である約95万円を関係職員に賠償請求・・・

川崎市 市立小学校のプールにおける水の流出事故について

2,200㎥ということなので、大体オリンピックの50mプール分に近い水を無駄に流したらしい。。災難でしかない。
しかしこれで分かったことがある。

オリンピックのプールの水道代は約100万円である!
いつか必ず役に立つ雑学を覚えてしまった。


話はそれたが、不純物0.016%という驚異の水「超純水」を飲んでみたい。今まで飲んだ全ての水よりも、圧倒的に透き通っていることだろう。

とはいえ、美味しい水は不純物がなければ良いという話ではない。ミネラルは半導体の世界では不純物だが、美味しい水の一つの要素であろう。


さて、半導体の水とオリンピックのプールの水道代を知ることに文字数をとられたので、美味しい水についてはまた今度書きたい。

ただ半導体の工場が、熊本県菊陽町だったり、岩手県奥州市だったり、北海道千歳市だったり、宮城県大衡村に拠点を持つ理由は、綺麗な水が重要なためで、それは美味しい水を求めるときと近い考えであろう。

小泉成文


大好きな横浜名物シウマイ弁当を食べる時、人生であと何回食べられるんだろう。。と考えます