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国際子ども図書館〜黒田記念館〜東京都美術館(東京都台東区・上野駅)

・国際子ども図書館
東京国立博物館のすぐそばにある旧博物館動物園駅跡のある十字路を曲がって国際子ども図書館を覗いてみることに。普通に大人でも入れるし、建築が凄いという噂を聞いていたので特に用がなくても入れる。
ここはやばい。なめていた正直。でかい。すごい。強烈。国際ですものね。
ルネサンス洋式を取り入れた歴史的建造物で、外から眺めるだけでも圧巻。
お城みたい。入り口は新たに設けられたガラス張りで、なんとなくルーブル美術館を想起させる。

研究棟も新たに増設されたスタイリッシュな別棟に構えられているけれど、そちらはまさに研究棟といった様子で一見さんが気軽に入れる雰囲気ではなかった。

基本的に見学は本館のレンガ棟と、あとは中庭。ただ暑すぎて中庭を見る気にはならなかった。またいつか。
本館は4階までが入れるエリア。もちろんトイレはウォシュレット式だし、それどころか子ども向けに小さいサイズも用意されている。そうだよ、こういうのでいいんだよ。こういうので。
残念ながら4階にあるミュージアムは新型コロナウイルスの影響で閉じられていたものの、隣にあるホールはとてつもなく広く、普段は講座やコンサートで使われるそう。

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ほぼ無人のエリアに多数の椅子が配置され世界の図書館特集的な映像が流れていた。外壁を間近に見る事のできるバルコニーが備え付けらえているのは親切。

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あくまで子ども図書館なので児童向けの本が多くあり、本館には他に絵本や児童文学、ヤングアダルト文学が展示されている資料室があり、古い絵本などが手に取って閲覧できる。
その他には巨大階段などがあって優雅な気分に浸れる。名建築を舞台にしたドラマの舞台としても使用されたそうでポスターが貼られていた。

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美術館は割と建築の妙も有名なところが多いけれど、図書館など美術館以外の建築物にまで手を出すとちょっと後戻りできなくなりそうで怖い。ちなみに入口には小泉八雲が手がけた子供たちの塑像がある。

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・黒田記念館

国際子ども図書館から上野公園側へ戻る途中にある荘厳な建物は洋画家の黒田清輝による記念館。東京国立博物館の分館といった立ち位置にあたる。見学は無料。

季節によっては黒田清輝の代表作がいくつか見られる特別室が解放されるのだけれど、今回は時期を逸していて通常の部屋のみの見学。

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常設はそこまで作品数が多いわけではないけれど、フランス留学時代の作品を中心にいくつかの油彩とエッチングが見られる。
それとキャンバス台と椅子、画材が残っており公開されている。友人や女性の人物画が多いのだけれど、おそらく女性は同一の人物のような気がしてならない。基本的にほとんどの絵が撮影できる。

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なお、芸術の街にあり無料で入れる美術館であるにもかかわらず見学者が極端に少ない。他の見学者はわずか1名だった。
もしかしたら特別室の解放される時期を目当てにしている人が多いのかもしれない。でも空調完備されてるし、めっちゃいい。
学芸員の方は退屈そうである。というより寝ている。
あまりにも暇そうなので声をかけて疑問を尋ねてみるだけでもいい退屈しのぎになるかもしれない。今回もちょっと尋ねてみたらたくさん教えてくれた。

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地下にあるトイレは洋式。地下がトイレのためだけにあるフロアになっており鬱蒼として最高。もともとは館内で記念品も販売していたらしいのだけれど、今は無くなって隣にカフェーだけが併設されている。

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・東京都美術館
あと少しだけ時間があったので常設企画展を拝見。当時オリンピックが開催されておりその影響なのか荷物検査が行われている。ただしかなり雑なので大丈夫なんですかね?

企画展では「Walls&Bridges」と称して、5人の作家による作品展が行なわれている。身体が不自由になったり、故郷を失ったり、ナチスの強制収容所に入れられたりと、いろいろな壁に当たった作家たちが、それを展望への橋とした情熱を作品へと昇華している。

最初はジョナス・メカスによる日記映画(日常を切り取った映像をフィルムとして展示)。前衛的。一部で映像が流れており、音楽がちょっと良かった。誰が作った音楽なのかは学芸員の方も知らない様子。ふむ。

次は増山たづ子。岐阜県旧徳山村(ダムで水没)の生活を切り取った10万もの写真。戦地へ行ったまま戻らない夫がいつ帰ってきてもいいように村の様子を写真で残したそう。

フロアを降りると次はシルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田。日本人の夫と出会い来日したクリスチャンで、ドローイング、コラージュ、彫刻と多岐にわたる作品を残している。コラージュが個人的には良かった。

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同じフロアにはズビニェク・セカル。ナチス強制収容所に入れられた経験を持ち、数々の彫刻作品を残している。タイトルが無題や単語のみでまとめている作品が多い。

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最後は東勝吉。老人ホームに入って83歳から絵を描き始め99歳で亡くなった。外の風景が多い。木こりだった頃の記憶だったのかもしれない。

時間つぶしで見るにはあまりにも印象の強い作品と出会ってしまう。作品に引っ張られる経験は久しぶりだった。
歩けなくなって椅子に座ってうなだれてたら学芸員の方に声かけられる。御免なさいね心配かけて。熱中症みたいなものですきっと。もちろんトイレはウォシュレット式。


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