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府中市美術館(東京都府中市・東府中駅 池内晶子展 あるいは、地のちからをあつめて)

絹糸をつかったインスタレーション作品が印象深い池内晶子の展覧会、会期ギリギリで訪問することができた。

最寄駅である東府中駅からは徒歩で20分くらい歩く必要があるのだけれど、実際は駅前から案内板が細かく出ており大通りを真っ直ぐ進むことになるので迷うことはほぼない。府中の森公園の敷地内に府中美術館はある。府中の森公園へは割と早く到着するが、園内をしばらく歩くのでやはり東府中駅からは20分くらいと考えるのが妥当かもしれない。

入口はとても天井が高くて開放感がある。2フロアに分かれているけれど、感覚的には1階と3階という感じ。池内晶子の企画展は3階で開催されている。絹糸が印象的な作品で、糸を使ったインスタレーションというとどうしても個人的には塩田千春を連想するけれど、塩田千春が激しい動、とすれば池内晶子は孤高の静、といった印象がある。『Knotted Thread』と名付けられたいくつもの作品によるシリーズがあり、まず目を引くのが部屋全てをつかって1つの作品とした直径720センチもの渦で、東西南北から吊り下げられた4本の糸が渦をつくり、それが床一面に広がる様を作っている。展示室を丸ごと使用している作品が多いため展示数は決して多くはないけれど、絹糸の揺れ(館内の空調でゆるやかに動く)なども含めた作品であることを映像で知り、何度かぐるぐる回ってしまった。

冊子には絹糸が貼り付けられている。また冊子でも気にしないとわからないけれど、天井に一本の白い糸が張り巡らされていてそれを発見するのも面白い。光の加減でキラキラと輝く。

併設された常設展ではコレクションを展示。靉嘔の虹や香月泰男、宇佐美圭司の作品など収蔵品もなかなか。牛島憲之の特別展示室も設けられている。

1階では公開制作という変わった催しが行われている。府中美術館をどうやって洗浄するか、という変わったテーマでもって、館内の清掃方法(といってもまともな清掃方法ではなくて、体全体をモップにして床を這ったりするなど)を映像で説明している。トイレはウォシュレット式。


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