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長谷川町子美術館/記念館(東京都世田谷区・桜新町駅)

桜新町は長谷川町子がずっと居を構えていたこともあり、サザエさん通りがあるなど全面的にサザエさんを押している街である。駅前にもサザエさん一家の銅像がある。波平の髪の毛が折られて別の棒が刺さっていたのも愛らしい。

町を挙げてのサザエ推し

美術館と記念館は道路を挟んで向かい合わせに建っておりチケット販売は美術館側で行なっている。予約は不要ながら入場制限があり久々に入場待ちを体験することに。

美術館の方では生前に長谷川町子が収集していた美術品のコレクションを展示している。「春爛漫」として、春にちなんだ作品を多く展示している。1階では三栖右嗣の巨大な桜の絵が目を引く。注目なのは沈壽官による磁器。特に『薩摩春風蝶花瓶』は瓶の縁に蝶が停まっており、繊細な美品になっている。一緒に焼き上げたそう。

2階に上がれば加山又造、横山大観、川合玉堂といった大家の作品や那波多目功一ら現役の日本画家の作品が彩る中、注目したいのは陶器。三輪休雪や三輪休和といった人間国宝による、白い釉薬を特徴的に配した「休雪白」で知られる萩焼の作品が並ぶ中、一緒に展示されていたのが現役の陶芸家で人間国宝でもある加藤孝造による志野焼。瀬戸黒で世界的に評価されている人でありながら、ここでは休雪白を彷彿とさせる白釉薬を使った作品が何点もある。こういった人の作品をしっかりコレクションしているあたり、長谷川町子の審美眼には敬服する。

まずは美術館 中は撮影できない

もう一つの常設展示室ではアニメのサザエさんに関して。四コマ漫画のエピソードを引き伸ばして一つのストーリーにするあたり脚本家の努力が垣間見える。アニメオリジナルの登場人物が意外と多いというのも驚く。トイレは多目的ウォシュレット式。

道路を挟んだ記念館、入り口の前にはサザエさん・いじわるばあさん・長谷川町子3人が談笑する銅像がある。入り口の右手がカフェとショップ、左手が展示室になっている。ちなみに美術館に入館するときにカフェ割引チケットも貰えるので利用するのもおすすめ。

次は記念館 井戸端

1階の展示室は長谷川町子が執筆していた当時の東京の一般的な家庭(お茶の間)を再現。そういえば「お茶の間」って言葉にふさわしい住宅とか生活様式って確実に減っていると思うんだけど、今でも「お茶の間」って言えばなんとなくテレビのあるリビング、っていうふうに認識されているのは凄いな、と思う。

本当の意味でのお茶の間

2階に上がるとまずは常設展として長谷川町子の生涯について紹介している。『のらくろ』で知られる田河水泡に弟子入りしてマンガ家として修行した長谷川町子。いかに田河水泡を慕っていたかが伝わってくる。姉の毬子・妹の洋子と三姉妹として実際に姉妹社という出版社を立ち上げたりもした。当時は仲睦まじい三姉妹だった様子が窺える。

次の展示室では企画展として『エプロンおばさん』という作品を扱っている。下宿ならではの物語としてサザエさんとはまた違った魅力を放ちながらもあまり有名ではない本作、作品を展示しており読むことができるため、一つ一つを読めばかなり長い時間を費やす必要がある。客層も学生から年配まで幅広い層に愛されていることがわかる。トイレはウォシュレット式。

エプおば


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