見出し画像

藤子・F・不二雄ミュージアム(神奈川県川崎市・向ヶ丘遊園駅)

藤子・F・不二雄といえば知らない人はいない『ドラえもん』をはじめとしたマンガを描いた人である。おそらく日本の中で最も作品を知られているマンガ家かもしれない。そんな藤子・F・不二雄が生前に住んでいた川崎市にある藤子・F・不二雄ミュージアムは、『ドラえもん』をはじめとして多くの作品を紹介するミュージアムとして連日おおくの人で賑わっている。登戸駅からは専用バスも運行されていて乗るだけでもワクワク感があったりする。

館内にはところどころに藤子・F・不二雄の作品が装飾されており、探してみるだけでも面白い。最初に入ることになる常設展示室ではグラフィックを駆使して漫画の描き方の特徴を紹介したり、『ドラえもん』をメインとして藤子・F・不二雄の作品背景を紹介。作品づくりの技術や、アニメ化した際の設定づくりの細かさなど、誰もが知る国民的アニメ『ドラえもん』が皆にこれほどまでに愛されるのにはそれだけの理由があるのだと納得する。自分自身を「のび太」だったという藤子・F・不二雄だけに、思い入れも格別だったのかもしれない。

屋上庭園にはのび太とピースケと青狸

続いては藤子・F・不二雄の生涯について紹介するコーナー。藤子・F・不二雄こと藤本弘は富山出身。小学生の時に(後の藤子不二雄Aとなる)安孫子素雄と出会い意気投合、二人でマンガを描き始める。やがて連名で「藤子不二雄」名義を名乗り、マンガ家としての創作活動を始める。上京してからはマンガの神様として知られる手塚治虫の住むトキワ荘に部屋を借り、同じ志を持つマンガ家たちと切磋琢磨しながら作品を描き続けた。コンビを解消しそれぞれの道へ進んでからも青春時代の人物たちとの交流は続いた。

野比家もあるよ お邪魔したいものです

続いて作者の仕事部屋を再現した展示があり資料の多さに舌を巻く。杉山寧、棟方志功、藤田嗣治の作品が目を引く。まさに資料の山を見据えながら階段を上り、やがて企画展示室へと至る。今回は特に企画展として「SFマンガ」に焦点を当てた展示を開催。子ども向けマンガだけでなく大人も楽しめる作品として注目度は高い。すこし・ふしぎを体現したSF短編は、子ども向けマンガへの行き詰まりを感じはじめていた藤子・F・不二雄にとってもともと好きだったSF分野を絡めた作品づくりは良い方向転換となり、子ども向けマンガとSFの両翼がその後も創作の主軸となった。

SF短編集まじオススメ

展示室の最後は家庭での藤子・F・不二雄について、家族の証言や写真を載せながら触れている。展示室を出ると藤子・F・不二雄の作品を読める読書コーナーや『ドラえもん』の野比家のミニチュア、ガチャガチャなどの楽しいコーナーがあり、シアターでのオリジナル短編を上映したあとは屋上庭園へ。こちらでは空き地の土管やどこでもドアー、『のび太の恐竜』で登場したピー助などがいて、歩いているだけで楽しめる。レストランや売店もどら焼きなどゆかりの品がある。トイレはウォシュレット式。トイレの中にも藤子・F・不二雄の作品イラストが使われており、どこまでも楽しい。

きれいなアイツもいるよ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?