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戸栗美術館(東京都渋谷区・渋谷駅 古伊万里の御道具)

鍋島松濤公園を池や水車を眺めながら横断し、隅から東急Bunkamura方面へと一本道を進むとやがて見えてくるのが戸栗美術館。ちなみにすぐそばにはシェ松尾がある。ランチで1万円くらいのリーズナブルなお店である。ディナーは2万円くらいからである。まあなんてお得なんでしょう。気軽にふらりと立ち寄りたいところですが、基本的には予約制ですのでご注意を。

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さて戸栗美術館。重厚な門を入ればすぐ手前には生け花が添えてある趣のある美術館である。館内は撮影不可だけれど唯一、庭だけは館内から撮影することができる。佐賀藩主である鍋島家が持っていた土地ならでは、佐賀藩ゆかりの砲台があったりする。庭に出られれば良いのだけれど、隣のマンションとの共有地らしく出ることはできない。天井高めのラウンジでソファに座りながらしばらく庭を眺める。見学者は驚異のゼロ。あとから2人ほど入ってきた。

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階段を上って2階が展示室となっている。上ってすぐにある特別展示室では古伊万里の御道具としてなかでも柿右衛門様式のものを中心に展示している。隣のガラスケースには古伊万里金襴手様式の巨大な壺がある。
2階には他に3つの展示室があり、それらはゆるく繋がっている。16世紀の茶器や花器、香炉などを展示しており、焼き物にはそれぞれの特徴があれど、やはり色合いはインパクトがある。釉薬の剥がれた感じの美もまた素敵だけれど、瑠璃色や金箔などで彩色を施された陶器は見ていて飽きない。大型の壺よりも小さな香炉などの方が細かい技術を見て取れるので個人的にはそちらの方が好みである。

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ここの美術館が良いのは、展示ガラスの前に肘掛のような枠があって、陶器の目線でじっくりと眺めることができるという点にある。なにせ人が少ないのでゆっくりと独占して鑑賞できるのは良い。それと多くの作品の後ろには鏡を配置しており、陶器の裏面を見ることができるように配慮してくれているのもありがたい。研修中と現役それぞれの学芸員による説明文を添えていて、両者を見比べてみるのも興味深い。

1階にはやきもの展示室という小部屋があり、今回は陶器に関わる書物が展示されている。ガラスの中に小さな蜘蛛がピョコンと飛び跳ねていて愉快である。すぐ近くにトイレ。ウォシュレット式。

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