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武蔵野音楽大学楽器博物館(東京都練馬区・新桜台駅)

東京都内にある音楽大学の中ではかなり名の知られた大学であろう武蔵野音楽大学。こちらの大学内では収蔵品である楽器の博物館を一般公開している。大学の博物館では珍しく有料での展示ではあるものの、有料であるのにも納得してしまうほど充実した世界中の楽器を展示している博物館である。

武蔵野音楽大学楽器博物館の展示室は地下階。入館するとすぐ目の前にはプレイエルというフランスのピアノがお出迎え。ボディにデザインされた蒔絵のような絵はまさに西洋と東洋の融合といったところだろうか。これだけで幾らするのかわからない。そのまま奥へ進んで行くと、鍵盤楽器、管弦打楽器、日本の雅楽器、世界の民族楽器という四つの展示室に分かれている。

地下階の入口

まず鍵盤楽器の展示室。こちらはピアノやオルガン、チェンバロといった鍵盤を使って音を出す楽器が中心。面白いのは初期のピアノが鍵盤の白黒が逆になっていること。それに中世は室内が暗かったのもあるのかもしれない、楽器には蝋燭を立てる置き場が備え付けられている。実際に夜間に演奏する際には蝋燭で灯りを取っていたことがわかる。他にもアップライトのピアノにはナポレオンの帽子をかたどったものや、キリンを形取ったデザインのものもある。

作曲家モーリス・ラヴェル像

管弦打楽器の展示室ではヴァイオリンをはじめとした楽器がお出迎え。展示室を埋め尽くすヴァイオリンの群れや、変わった形をした管弦楽器がとにかく目を引く。音を出すホーンの部分が動物を形取っているビュサン(トロンボーンの一種)や、鍵盤と融合している弦楽器のハーディガーディ、それに加えていわゆる木琴もこのエリアに含まれる。

日本の雅楽器ではまずは箏がお目見え。それに三味線や三線、篳篥や笙といった雅楽の楽器も多く展示されている。かわったところでは、寺社で使われるような木魚や鉦なんかもこの展示室を飾る展示品の一種として採りあげられる。奥には水野佐平という個人がコレクションした楽器の展示コーナーもある。戦火を逃れるために楽器を疎開させたという情熱の持ち主である。

最後は世界の楽器コーナー。アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアといった地域ごとに分けて楽器を紹介している。特に打楽器はどの文化圏でも積極的につくられていたことがわかる。メロディも打楽器の音色を絶妙に調整することで演奏していたというのも印象的。世界の指揮棒まである。トイレはウォシュレット式。

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