見出し画像

スパンアートギャラリー(東京都中央区・京橋駅)〜GINZA SIX(同上・銀座駅)

・スパンアートギャラリー

京橋から銀座周辺には多くの画廊・ギャラリーが点在する。スパンアートギャラリーはそのうちの一つで、幻想・耽美・エログロ、そういったアングラ寄りの作品を中心に展開しているなんとも魅力的なギャラリーである。宇野亜喜良、金子國義、多賀新という個人的リスペクトの高いアーティストや、丸尾くんと花輪くんこと丸尾末広と花輪和一の作品もある。

今回の展示はMoonlightと題して、月をテーマにした作品が多く展示されている。出展作家もそれぞれアングラな分野を中心とした作品で活躍している人も多く、建石修志、山本タカト、森馨といった人たちの作品は目にしたことがある人も多いかもしれない。個人的には名前を知らなかった作家が多かったものの、全体的にレベルが高く、絵画に人形、テディベア、オブジェまで多彩な作品が展示されている。

雑居ビルの3階、1フロアのみで構成されているので決して広いわけではないにせよ、書籍販売フロア、事務所なども設けられており意外とじっくりと鑑賞できる。なんといってもゼロ距離で作品を見ることができるので、気にいる作品があれば気の済むまでいられる。

個人的に気に入ったのは清田範男という造形作家によるオブジェで、錆びの浮いた金属や写真のコラージュなどを組み合わせた幻想的な作品を展示している。スチームパンクとファンタジーの融合したような世界観。ちょっと欲しいと思ってしまった。今の部屋にはそぐわない(というより置き場所がない)のが残念ではあるけれど、ちょっとした小物としてずっと眺めていたい魅力がある。意外と金額もそこまでではなかった。あそこまで細かい作品を作るのに相当な手間がかかっていると思うのだけれど。

ギャラリーなので展示作品の販売も行っている。値段はもちろん知名度やキャリアにある程度は比例したものにはなっているものの、決して手が出せない金額ではない。気に入った作品の購入や未来の作家の青田買いをするのには妥当な金額かもしれない。トイレはなし。


・GINZA SIX

銀座の中心にある巨大なショッピングモール。中央広場の吹き抜けではアーティストによる巨大なインスタレーションがあったりする。名和晃平による『変容の庭』という作品が今回は展示されていた。以前には塩田千春や草間彌生の作品も展示されていたという。ほかの場所でも壁紙や階段の吹き抜けにインスタレーションや絵画が展示されており、アートに対してかなり注力している印象がある。もちろんショッピングモールなので、あくまで買い物を楽しんでもらうのが前提なのかもしれないけれども。

そんなGINZA SIX5階の一角にあるのがアールグロリューというアートスペース。ポップアートやコンテンポラリーアートを中心とした作品を展示・販売している。

入り口から出迎えるのがアンディ・ウォーホル、草間彌生、岡本太郎といった作品。これらも販売している。なかなか有名な作品が多いなと思いながら巡ってみると、残りはあまり知らない作家の作品が多数ある。ポップアートが中心なので、技術云々というよりも考え方とか、作品を通じて鑑賞者がどう受け取るかが重要なのだろうか、驚くほど高額の値段がつけられている作品が多くて驚く。

正直なところ、近くにあるスパンアートギャラリーの作品の方が個人的にははるかに響くものがあったのに対してこちらのギャラリーにいる作家は、自分の感性とはあまり共鳴するものがなかったのだけれど、海外でむしろ評価されている人たちが多いらしく、スパンアートギャラリーの作品群よりもはるかに高額で販売されていることに驚く。ま、村上隆も世界では評価されているわけだし。売りかたっていうのは本当に大事なんだろうな、と考えされられました。トイレはショッピングモール内に多数。もちろんウォシュレット式。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?