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黄金町バザール(神奈川県横浜市・日ノ出町駅/黄金町駅)

横浜というとベイサイドみなとみらい地区のお洒落な感じをイメージする人が多いかもしれない。けれど横浜の本来の姿といえば京浜東北線で区切られた南側、野毛エリアや伊勢佐木町エリア、寿町など大岡川と中村川に接している場所の方が親和性が高い。もちろん今では治安も良くなってしまったものの、まだその残滓は残っている。このエリアで景気の良さそうな名称の町はだいたいそれである。そんな中でもまさに景気の良い名前の代表とも言える黄金町エリアを中心にしてアートイベントの黄金町バザールが開催されており、点在するギャラリーを見学できる。

黄金町バザールの歴史は2008年からで15年にも及ぶアートフェスティバルで、NPO法人の黄金町エリアマネジメントセンターがアートによる街の再生を目的として開かれたイベント。国内外のアーティストの作品が多く発信されており、特に若手クリエイターによる実験場所として地域コミュニティの活性化を目指しているもの。今回おとずれたギャラリーは以下の通り。

・日ノ出スタジオ

写経をお米文字で一個ずつ書くという気の遠くなるような作品 読めない…

・BICO KONDO STUDIO

右上にある玉を頭に被ると新たな世界が見えてきますよ

・ギャラリー湧水

島国にとって国境はどこかと考えると深みが出る

・ハツネウイング(A、B、C)

A 参加型の展示 壁になんでも描ける
B 防犯カメラが山のようにある
C 壁を這う 黄金町の肖像

・高架下スタジオSite-Aギャラリー

黄金町の歴史を紐解きながらアートで表現する展示や精緻なペン画に度肝を抜かれる

・GALA House

使われなくなった家電が博物品へと生まれ変わる

・高橋ビル

トイレの洗面所のみが展示であるのはなんとも心地よい

・山本アパート

ほとんどが触って遊べる作品というのも良いです

・八番館(本館、別室、裏)

本館 ごみから人物を想像させる試み
別室 男性同士の色々センシティブな写真がある
裏 路地が素敵すぎる 無関係な朗読と共に映像が流れている部屋が展示室

・高架下ロックカク

作家が製作中だったりしています

・竹内化成ビル

葛飾応為に寄せていたり
体をかきむしる音を五線譜にしてメロディと題したり
唐突に電話が鳴ったりする

・地域防犯拠点ステップ・スリー

地元に住んでいた画家・小幡春生の生前の作品を展示

非常に見応えがあり、ギャラリーに展示している作家が在廊していることもあるので貴重な話も聞ける。会期中は何度でも訪問できるパスポートで回る形になるそうで、1日で見切れない分はまた後日、ということもできるそう。パスポートには店舗で割引できるクーポンも付いているので黄金町エリアの活性化のためには何度も訪れておきたいところである。飲食も出ているのでちょっとした祭の気分で回ってみるのも芸術の秋っぽくて良いかもしれない。

日の出スタジオ2階の廊下からは下の古本屋が見られる 最高のビューだったりします


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