見出し画像

東京都現代美術館(東京都江東区・清澄白河駅)

以前にクリスチャン・ディオール展へ訪れた以来の久々となる東京都現代美術館。今回は二つの企画展、それに常設展と特別展示とで全てを回ろうと企画しており、かなりの体力と精神力を覚悟する必要がある。企画展は多数のアーティストによる「翻訳できない わたしの言葉」展と、シンガポールを中心に活動するホー・ツーニェンの個展「エージェントのA」を開催。また特別展示としてTCAAの受賞記念展を開催。

前回の混雑しまくりだったクリスチャン・ディオール展に比べて、今回はどの展示も割とゆったりと観られるくらいになっている。何度かこちらの美術館にはきているけれど、企画展の内容によって毎回かなりの変動があるので学芸員スタッフの苦労が偲ばれる。常設展と同じくらいの見学者数という印象。

奇妙な建築が素敵すぎる

「翻訳できない わたしの言葉」展は、複数の作家によるアート表現でもって色々な言語を翻訳して行く、その表現に触れる中で鑑賞者が「わたしの言葉」を発見し向き合う、ということを目的とした展示となっている。地方言語が禁止されたフランスや沖縄の歴史に取材したユニ・ホン・シャープ、アイヌの文化に取材したマユンキキ、自身の背景にある手話を題材にした南雲麻衣、身体表現を主とした新井英夫、国内の外国語学校をテーマにした金仁淑、それぞれのコミュニケーションを、中には体験しながら受け取って行く。注目したいのはカームダウン・クールダウンスペースが設けられていたこと。多様性の見学状況を配慮したものだろう。

ユニ・ホン・シャープ
マユンキキ
南雲麻衣
新井英夫
金仁淑は撮影不可だったのでラストの展示 みんなのメッセージが書ける

もう一つの企画展であるホー・ツーニェンの個展「エージェントのA」は、各展示室にある展示作品がほとんど映像で構成されているという特徴がある。開始する時間割が設定されており、映像を最初から観てみたいようならそれに合わせて行動するのが理想的で、全ての映像作品を最初から最後まで観るとなると、かなりの時間を要するかもしれない。

映像がメインのホー・ツーニェン

特別展示であるTCAAは、Tokyo Contemporary Art Awardの略称で、東京都現代美術館で毎年のように受賞作が展示され、今年はサエボーグと津田道子というアーティストの作品が展示されている。昨年と一昨年に開催されていた展示をたまたま観ていて、その時には非常に良かったのもあり、受賞作はその年によってかなり好みが分かれる傾向にある。

サエボーグ ああ、茶色の
津田道子 こちらも映像がメイン

さて、いよいよ常設展。「歩く、赴く、移動する」と題した展示。こちらは昨年の展示に引き続いてのもの。1階の展示内容に関していえば大きな展示替えはほとんどなく再度ここの見学をする、という感じにはなるものの、何しろコレクションの数がバラエティに富んでおり観ていて飽きない。さらに3階は展示替えがされており、特に1960年代に活躍した女性彫刻家モニール・ファーマンファーマイアン、宮脇愛子、多田美波の展示が映える。トイレはウォシュレット式。

常設展は安心できるクオリティ
現代アートっすね
2階?が段数あるので割と疲れる
国内における現代アートの代表作 奈良美智
屋外展示も含めて安定したクオリティ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?