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薬害の歴史展示室(東京都千代田区・虎ノ門駅)

厚生労働省が所管の独立行政法人である医薬品医療機器総合機構が紹介している薬害に特化した展示室である薬害の歴史展示室。省庁が所管というのもあってか霞ヶ関の一帯にある。

1フロアの半分ほどのかなりシンプルな展示室ながら内容は深い。薬害によって大きな後遺症を患った歴史的な事件が多く示されている。誰もが経験のある、病院で診察され処方してもらう薬。それが実は人体に悪影響を及ぼすものだったとしたら…という、他人事ではない身近にありえる事象。医者が診断したのだから、という理由でそれをそのまま受け入れた結果、深刻な後遺症を患った、なんていう歴史的事例は決して昔の話ではなく、現代でも依然としてありえる話。それだけに薬剤の承認には慎重すぎるほど慎重にならなくてはいけない、という反省が示されている。

シンプルながら深い

サリドマイドを引き起こしたイソミン、スモンを引き起こしたキノホルム、HIVを引き起こした血液血清剤、C型肝炎を引き起こしたフィブリノゲン、クロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こしたヒト乾燥硬膜、脳症を引き起こしたMMRといった多くの事例を挙げて、二度とこういったことが起きないようにと警鐘を鳴らす。
館内ではこれら薬害にあった被害者たちの生の声が映像で流されている上、関連する書籍も閲覧できる。とはいえオフィス内の一角なのでひっきりなしにオフィス関係者が移動しているので腰を落ち着けて閲覧するのはよっぽど興味がある人でなくては厳しいかもしれない。トイレはウォシュレット式。

ビル内には堀口泰造が作った塑像が展示してある

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