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お肉の情報館(東京都港区・品川駅)

品川駅の港南口から歩いてすぐの場所にある食肉市場。グランドコモンズやインターシティなど高層ビルが立ち並ぶオフィス街の隣にかなり広大な食肉工場の敷地がある。むしろ歴史はオフィス街よりも古く、明治維新の頃に開設されたのを前身としている。

お肉の情報館は正しい食肉の情報を広めるためにこの食肉市場のセンタービル内に設置されている展示室。1フロアながらかなり充実した展示内容となっており、普段の食卓に並ぶ食肉がどういった経路で市場に流通しているのかを紹介している。
当たり前だけれど食肉のために畜産は欠かせない。ここではその肥育から出荷までの流れ(どういった飼料をどんな方法で与えているのか)を紹介しており、生産者が消費者の求める肉を作るための工夫などを知ることができる。飼料は実物展示もされている。

牛や豚を食肉として解体する工程も紹介される。コンベア方式の施設の中でどのように枝肉として解体するのか。普段あまり知られていない屠畜解体作業を紹介する。一頭ごとに手を洗い、高温のお湯でナイフ等を消毒するなど徹底的に衛生管理を行なっていることもわかる。解体の後に詳細な衛生検査も行なっている。
最終的に半身で250kgになる牛は「大動物」、半身が38kgになる豚は「小動物」という区分けになっているほか、それぞれで解体する工程が異なるのも特徴。例えば牛はノッキングペンという道具で額を打ち気絶させ、放血、不動体化、食道結紮を行なった後に頭部を切り落として鈎に吊るしてシャックル掛けを行う。豚はまずガス麻酔した後に鈎に吊るしてシャックル掛け、その後に頭部を切り落とすという方法になっている。ここでは実際に使用されているナイフや棒ヤスリなども展示されている。ナイフは数ヶ月で切れ味が悪くなるので交換する必要があるのに対し、棒ヤスリは新品では使いにくいなどの特徴もある。
食肉の歴史は屠畜解体業者への差別の歴史という側面も持っている。ここでは実際に起きた差別的な悪意にみちた手紙やはがきも展示されている。めちゃくちゃ字が汚く猟奇的な文面であるそれらの送り主はもちろん逮捕されているが、逆にこの工場を見学して正しい理解をして感銘を受ける人も多くいることは救われる気分になる。
またコラムでは格付け、銘柄などセリで使われる表示盤や、等級の付け方など専門的な情報も提示されている。トイレは洋式。

外側はこんな感じ


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