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漱石山房記念館(東京都新宿区・早稲田駅)

1年半ぶりに訪れる漱石山房記念館。言わずと知れた夏目漱石の文学館である。この地に旧居を構えていた夏目漱石を記念して設立された文学館で、その名称は旧居が「漱石山房」と呼ばれていたことに由来する。

2階建ての展示室はまず導入展示として夏目漱石の生い立ちや弟子たちについての紹介がされている。漱石の書籍も多く設置されており、それらは自由に読むことができる。ガラス越しなので本の表紙が灼けてしまっているのがちょっとだけ気にかかるが、ここまではフリーで見られる。

書斎の再現はかなり忠実

有料エリアに入って目玉となるのは1階すぐにある漱石山房再現展示室。漱石の書斎を細かい部分まで再現した意欲的な展示になっている。漱石山房自体は戦災で消失してしまったけれど、残された写真資料や証言から詳細な書斎を導き出している。しばらく眺めていられる。呆然としながら順路を進むと、原寸大の漱石人形もいてびびる。ちなみに通路や階段の至る所に猫(ボード)がいるのも愛らしい。

ぬこ

2階の展示室は小説家としての漱石の実績について。最初にいろいろな作品に残されたセリフが残されている回廊を進み、次にはデビュー作の『吾輩は猫である』から始まる漱石の作品世界を書籍や草稿とともにパネルで紹介している。小説だけでなく、正岡子規の家に居候したこともあり多くの俳句も残している。

ぬこ

企画展は『道草』についての展示。漱石自身をモデルにしたといっても過言ではない本作の成立過程を紹介している。草稿と実際に掲載された小説とでは大きな差異があり、草稿から何度も書き直している跡が窺えることから漱石の創作過程を知る一助になる。

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トイレは多目的トイレウォシュレット式。なお隣には漱石公園があり遺族が飼っていた犬、猫、小鳥の供養のため建てた猫塚があるほか、道草庵という建物で周辺に住んだ文学者たちなど関連資料が展示されている。

ここで道草くってたら雨に降られました

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