伊興遺跡公園展示館&MAKYO美術館/千住宿プチテラス(東京都足立区・竹ノ塚駅/梅島駅/千住大橋駅)
伊興遺跡公園展示館(東京都足立区・竹ノ塚駅)
東京都足立区と埼玉県東川口市の境目スレスレ、ギリギリ東京都であるこの土地にあるのが伊興遺跡公園展示館である。この地で出土した遺跡を中心に展示しているミュージアムで、足立区における希少なミュージアムの一つでもある。交通の便は決してよくないので、遺跡に興味がない人が訪問するにはかなりハードルが高い。
遺跡に特別な興味はないものの、これまで多くの都内にある遺跡ミュージアムに行ってきたこともあり、ミュージアムがあるなら行っておかなくてはならいと使命感を帯びて訪問。公園そのものは割と一般的なサイズの広さではあるものの、この辺りは広大な遺跡群だったらしく、公園内には古墳の跡や竪穴式住居が残されている(内部には入れない)。
公園を見渡すようにして建っている伊興遺跡公園展示館は2階建てとなっており、1階では主に出土されている古墳時代の土器をメインとして展示されている。伊興遺跡は全国でも珍しい子持勾玉と古式須恵器があることで知られているそうで、その現品も展示されている。2階は発掘の様子をパネル展示しているシンプルなエリア。トイレは和式と洋式。
・MAKYO美術館(東京都足立区・梅島駅)
MAKYO美術館は、独自の技法である溌墨画を生んだ中国の水墨画家・馬驍の作品を紹介する目的で作られた美術館である。足立区内にある希少なミュージアムの一つということで気にかけていたのだけれど、世間的な風潮もあってここ数年は長期に渡って休館、ようやく再開となってことで晴れて訪問することに。
企画展としてMAKYO美術館の収蔵する作品を中心とした展示を行っている。馬驍と親交のあった平山郁夫、それに梅原龍三郎や宮本三郎といった洋画家から、アンディ・ウォーホールに至るまでジャンルは多岐にわたっている。その代わりに馬驍の作品が今回は展示されていないのは少し寂しくもある。
展示室は一般的なギャラリーと同じくらいの広さで、道路に面した窓から内部を除くこともできる仕様になっている。ただスタッフの方がとても親身に接してくれるので居心地は良い。予約制ではあるのもの空いていれば当日でも入館できる、近所に寄った際にふらっと立ち寄れそうな雰囲気のある美術館である。トイレはなし。
・千住宿歴史プチテラス(東京都足立区・千住大橋駅)
千住エリアはかつて「やっちゃ場」と称される野菜市場として栄え、農地の多かった足立区や近隣の荒川区などから運ばれてきた農作物が売られ、また江戸からの奥州街道における最初の宿場町ということで宿泊よりも見送りなどで賑わった場所である。現在の東京都中央卸売場の足立市場が運営されている。そんな千住の歴史を紹介しているのが千住宿歴史プチテラスである。
足立区にあった元地漉紙問屋の土蔵を移築した建物の中には千住の歴史を紹介するパネル展示の他に、実際にやっちゃ場で使われてきた衣装や道具が紹介されている。土蔵の棟札によると1830年に建築されたもので、200年近い歴史を持つ建物としての希少価値もある。時期によってはギャラリー展示も行われているという地域の憩いの場でもある。トイレはなし。