見出し画像

法務省史料展示室(東京都千代田区・霞ヶ関駅)

日本の司法を担う機関といえば法務省である。教科書にも出てくる。完全に門外漢なのだけれど、そういう意味では悪の巣窟こと国会議事堂にも訪れたわけだし文科省やら防衛省やら気象庁やら都内の関連施設を攻略した身としてはやはりここも抑えておかなくてはならない場所だという、全くもって出所不明な使命感に燃えて訪れたわけである。ちょうど平日に行ける時間ができたので訪問。省庁関連の施設では一般的な平日のみの開館となっている。

法務省の関連施設で最も有名なのが赤れんが棟で、エンデベックマンという二人の建築家をドイツから招聘して1895年に完成したネオ・バロック式の建物。関東大震災にも耐えたが東京大空襲でほぼ全焼し、保存改修工事により復原している重要文化財である。法務史料展示室は創建当時の写真を元に復原されたものになっている。

どうよこの重圧感

建物自体が特徴的なデザインをしており、外側からは撮影エリアを指定されての撮影が可能。受付で警備員の方に入館の旨を伝えればカードを渡されるので、それを所持しながら史料展示室へ向かう流れになっている。
入り口から2階へ向かう階段室が既に重厚な造りをしていて圧倒的に見惚れるのだけれど、史料展示室復原室の美しさもまた格別。なお展示室は資料の接写でなければ撮影できるのでここぞとばかりに気になったところを切り取るという傍若無人さ。平日のみというのも功を奏してか、見学者は脅威のゼロ。完全に独占である。

もう内装も素晴らしい

資料に目を向ければ、門外漢の自分でもなんとなく名前を知っている存在がいくつか。幕末に活躍した佐賀藩の江藤新平が初代の司法卿となり、法典編纂にあたってはフランスの法学者ボアソナードが招集されている。幕末の動乱期には参議が暗殺される事件などまだ不穏な中で法整備がまだされておらず、早急の課題だったことがわかる。板垣退助が襲われた事件の書類なども残されている。
隣の部屋では特別展示室として、陪審制度に関してその成り立ちと詳細についての紹介がされている。またかつて使用されていた法服の複製品も展示されている。裁判官、検察官、弁護人それぞれに色分けされていて刺繍があったりする。

人かと思ってよく見りゃ人形

奥の部屋はメッセージギャラリーとなっている。こちらは明治150年特集展示として、これまでの司法制度に関わってきた先人の紹介や法典などの貴重書の紹介がガラス展示やパネル展示のほか、映像でも紹介されている。

創建当時のれんがが残されている展示室

また、この部屋のれんがは圧倒的に古いのがわかるが、これは創建当時のれんがが残されているためで、赤れんが棟の建築に関する史料も多く展示されている。ここは一般公開されるまでは大臣室として使用されていたらしい。
おまけにバルコニーへ出ることもできる。こちらはだいぶ補修されていて往時の面影らしさは少ないものになっているものの、すぐ近くの法曹会館、その先の皇居まで見えるという贅沢なロケーションだったりする。
残念ながらトイレは使用できないが、現在でも公務で使用されている施設なのでおそらくウォシュレット式だと予想できる。

バルコニーも出られるよ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?