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文献レビュー:視覚障害生徒の書くスキルを過小評価しない!

楽しく、カジュアルに、弱視難聴の日々を発信しております奈良里紗です。

さて、今日は面白い文献があったのでご紹介。

私も書く機会がたくさんあったからこそ、
そして、今でもこして書いているからこそ、
各地からが成長するのだと思うから
視覚障害のあるとか、ないとか、そういうことに関係なく、指導することは大事!

以下は、"A Cross-Sectional Examination of the Writing of Students with Visual Impairments"(視覚障害のある学生の文章力の断面的な検討)というタイトルの論文の要点を日本語にまとめたものです。

目的と重要性:
この研究は、視覚障害のある学生の文章力に関する理解が限られていることに対処することを目的としています。より広範な学生層を対象にし、文章力の総合的な評価を含む研究を拡大することを目指しています。コミュニケーション、学習、および評価のための文章作成の重要性を強調し、視覚障害のある学生のためのより良い教育実践の必要性を訴えています。

方法:
この研究では、ネブラスカ州から4歳から21歳までの50人の学生を対象にした断面的なデザインを使用しました。学生は、Wechsler Individualized Achievement Test(第3版)のEssay Compositionサブテストを使用して評価されました。評価には、点字やコンピュータなど異なる書き方のモダリティに対応するために修正された指示が使用されました。エッセイは、単語数、テーマの発展、テキストの組織、およびメカニクスに基づいて採点されました。

結果:

  • 視覚障害のある学生全体のスコアは、標準サンプルと比較して平均範囲内でした。

  • 盲学生と弱視学生の間に有意な差は見られませんでした。

  • 追加障害のある学生とない学生の間に有意な差があり、前者のグループが低いスコアを示しました。

  • 視覚障害のある学生の間には、文章力において大きな異質性が見られました。

議論:
この研究は、視覚障害のある一部の学生が視覚のある同世代と同じくらいよく書けることを示していますが、集団内の異質性がこの発見を複雑にしていることを指摘しています。視覚障害のある学生の文章力の潜在能力についての仮定を避ける重要性を強調し、追加障害のある学生を含むすべての学生に文章を書く機会を提供する必要があることを訴えています。

制限事項:
この研究は、参加者の募集において困難を抱え、教師のバイアスやテスト管理の一貫性に問題がありました。サンプルサイズが比較的小さく、結果が一般化できるかどうかは不明です。

今後の研究への提言:
視覚障害のある学生の独自の文章作成ニーズを理解し、それに対応する教育アプローチを開発するためには、さらなる研究が必要です。この研究は、学校区が研究に積極的に参加し、視覚障害のある学生の文章力の包括的な検討を行うことの重要性を強調しています。

結論:
この研究は、教育者が視覚障害のある学生の文章力を過小評価せず、適切に挑戦することを推奨しています。これらの学生に文章を書く機会を提供することで、その真の潜在能力を明らかにし、より良い教育成果に寄与できると結論付けています。

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