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視覚障害者が懇親会で名刺交換、どうやってすればいい?

皆さん、こんにちは。奈良里紗@楽しく、カジュアルに、障害科学に関する情報発信をしている弱視難聴の研究者です。

さて、今日は視覚障害者の方からご質問をいただきました。

「異業種交流会や他社との交流促進のために参加するような懇親会があると思うのですが、目が見えにくいとどうしても積極的に自分からコミュニケーションをとることができません。終了後にいつも、もっと、こうすればよかった、ああすればよかったと後悔してしまう日々です。どうやったら、こうした場を活用することができるのでしょうか。」

うんうん、あるあるですよねー。

コミュニケーションスキル、これ、視覚障害者固有のストラテジーがあるなーと私は感じています。

まず、懇親会にいくときは、一人で行動するのが重要です。
誰かと話している、あるいは、支援者のような人がいると相手から声をかけられにくい傾向にあるように肌感覚として感じています。

立食形式のパーティであれば、飲み物をもってふらふら、うろうろしていると、必ず、だれかしら声をかけてくれます。こういう偶然の出会いに身を任せることもあれば、特定の誰かに会って話したいという目的があるときは、主催者の方とかに、
「●●会社の●●さんとお話したいのですが、連れていってもらえますか?」
とお願いするようにしています。

弱視(ロービジョン)の状態だと、どこにだれがいてということは認識できないので、こういうときは、見える人の目を活用しましょう。

ちなみに、名刺交換をするときも、一工夫を。

名刺をいただいて、
「●●会社の●●と申します」
と言われたときに、苗字が聞き取れなかったり、どういう漢字を書くのかわからなかったりしますよね。

そこで私は名刺をいただいたタイミングで、
「お名前の漢字を教えてもらってもいいですか?名刺の文字が見えないもので。」
と伝えます。すると、
「名刺の文字が小さくてすみません、奈良県の奈良と書いて、奈良です。」
といった詳細説明が得られます。

こういう説明があると、漢字とともに相手の情報をインプットすることができます。また、名刺から情報を読み取れないことを逆手にとって、
「どちらの会社の方ですか?」
「どんなお仕事をされているのですか?」
とどんどん質問をしていきます。

失礼になるんじゃないか?と心配になるかもしれませんが、このときポイントになるのがロービジョンの人でも白杖をもっておくということ。

懇親会では白杖がなくても問題ないことが多いのですが、名刺交換やネットワーキングを目的に参加しているのであれば、目立つ白杖をもっていくことは大切。

相手も、白杖をもっているからこそ、いろいろと配慮をしてくれますし、コミュニケーションのきっかけになることも多いものですよ。

対面でのイベントも増え、懇親会に参加する機会も増えてきましたよね。
ぜひ、いろいろな人とつながりをつくって、新たな世界へ飛び込んでいってくださいね。

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最後に記事を購入していただいた方向けのおまけです。
積極的コミュニケーションスキルの育て方について書いてみようと思います。

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