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視覚障害者のトイレ事情@特急編

特急などを使って電車で長距離移動をする場合、少し困ることの1つがトイレ。
視覚障害のある人の中にはトイレを探したり、トイレを使ったりする事に困難を感じるために1日に接種する水分量を減らしてできるだけトイレに行かないようにしている人もいる。この暑さでそのような対策をしていると熱中症になりかねないので大変危険。でも、このトイレあるあるは私たち視覚障害者の中ではよく語られること。

例えば、先日、近鉄に乗って移動した時のこと。
トイレの場所はわりとすぐに見つけられることができたのだが、まずどうやって扉を開ければ良いのかわからない。苦笑

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このトイレ、車椅子やベビーカーなどでも入れるように入り口が自動ドアになっているタイプ。アナログにレバーがあって横にスライドさせるタイプの扉とは異なり扉の近くに設置されているボタンを押さないと開閉ができない。このボタンの場所であったりどのボタンを押せば扉が開くのか、閉まるのかが私たち視覚障害者にとっては分かりづらい。この時点で扉を開けられずにトイレに行くことを諦めてしまう人もいる。私は、とりあえず扉のあたりをペタペタ触りこれかな?と思うボタンを押してみる。笑
すると、扉が開いた!笑
そして、トイレに入ってからも今度はどこに扉を閉めるためのボタンがあるのかを探さなければならない。扉付近にあったボタンを押してみるとビンゴ!扉が閉まった!
そして次に困る事と言えば、施錠。
アナログタイプのトイレであれば簡単に鍵を閉めることができるのだが、このようなタイプのトイレでは扉を閉めると自動的に鍵が閉まるように設定されているものもある。このトイレは親切なことに鍵を閉めて下さいと言う音声案内が流れ、扉に付いていた鍵を閉めるとその音声案内が止まる仕組みになっていた。これで安心して用を足せる!とはいかない。苦笑
次にトイレあるある問題で生じるのがトイレを流すための洗浄ボタンの確認である。実にいろいろなタイプの洗浄ボタンがあり、統一されていないため私たち視覚障害者はどのボタンを押せば水が流れるのか探すのが大変。
早速、トイレの中を触りながらこれかな?と思われるボタンを発見。

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私はこのボタンで合っているのかどうかを確認するためにスマホで写真を撮り、写真を手元で拡大して確認するようにしている。そう、私が洗浄ボタンだと思ったものは呼び出しボタン。苦笑
視覚障害者が外出先でトイレを避ける理由にこの呼び出しボタンを洗浄ボタンと誤って押してしまった、押してしまうかもしれないと言う不安がある。私も何度も間違えた経験がある。苦笑
だって、このトイレで最も触った感じで1番ボタンっぽいのはこのボタン。しかも、便座に座った時にちょうどいい位置にある。笑
写真で確認が取れた私は今度は反対側にあるボタンと思われるものを写真に撮って確認する。

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今度こそビンゴ!
日本語と英語で説明を書くならば、拡大文字や点字でも表示してもらえるとありがたいのだが…。
ひとまず、ここまで確認できたので後はトイレットペーパーがちゃんとあるか確認し、消毒液はどこにあるかなど必要なことを確認した上でようやくトイレ。
トイレと言う性質上、なかなか人に頼んで見てもらうことがしづらかったり、なんたりで結構外出のバリアになっている。私もなかなかトイレのことを聞くのが恥ずかしくて我慢してしまうような時期もあったのだが、息子が生まれて私ではコントロールできないタイミングで容赦なくトイレに連れて行かなくてはならないと言う状況に子育てを通じて追い込まれたことにより、外出先でトイレに困ると言う問題も同時に解決!息子にはいろいろな意味で感謝感謝。
ちなみに、どこかの高速道路の会社が視覚障害者は単独で高速道路のパーキングエリアのトイレは使わないから全てタッチパネル式にしてしまおうと言う計画があったらしい。私も夜行バスなどでよく高速道路のパーキングエリアを1人で利用するのでもしタッチパネル式のトイレが誕生したら今度は本当に困ってしまいそう。苦笑
私にとって1番楽なトイレは昔ながらのレバー式のトイレなんだけどね。

「トイレって汚いから触らせたくないんです」という視覚障害のあるお子さんの保護者から相談されたことがあるのだが、上述のように私はあっちこっち触ってトイレ探検をしている。笑。触ることは私たちにとって見ることと同じなので触らないということを選択するのではなく、触ったとしてもどうやって清潔を保つのか、いつどういうタイミングでどうやって消毒や手洗いをすることが大切なのか、そういったことを子どもには教えてあげてほしいと思う。そして、トイレには色々なバリエーションがあることも子どもに教えてあげると子どものトイレ経験値があがって将来の自立につながると思う。この夏休み、お出かけしたときにはトイレも要チェック!&要体験☆

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