老害の人ならぬ・・・

内館牧子著の『老害の人』が話題になっている。私も図書館でやっと借りることができた。まだ半分も読めていないが単純におもしろい。愛すべき老人たち。嫌味とか嫌悪感などはそこにはない。

そこで老害の人ならぬ障害の人を考えてみた。私自身の障害経験から考えたことなのでもちろん誰にでもあてはまるわけではない。

・動くときは超効率的
とにかくエネルギーをできるだけ使わないように、たとえばA地点からB地点に行くとき、途中の用事を全部すましながら到達する。行ったり来たり、はできるだけ避ける。

・10分前行動ではなく
小学校のとき10分前行動、とよく言われたけれど、特に出かけるとき私の準備は時間がかかるし、そもそもどこかでこけたら、とか、何かトラブルがあるかも、と思って30分前ぐらい行動をしている。結果ものすごく早く着いてしまったというときもあるが、よく助かったと思うこともある。

・助けてくれそうな人を瞬時に判別
何かちょっと助けてほしいときがよくある。車いすユーザーの私がちょっとの段差を乗り越えられずに悪戦苦闘しているときや届かないところのものをとりたいとき。近くにいる人に声をかけるのだが、「この人は助けてくれそうだ」と思う人を選んで声をかける。その精度はほぼ100%の確率。もちろん世の中には絶対助けてくれない人もいるので。

・すぐに不安になる
失敗体験が続いているとき、新しいものを手に入れてまだ慣れていない時、自分にできるのか使いこなせるようになるのか尋常じゃない不安に襲われる。不安を回避するためのイメトレもずっとしている。

・人との比較
子どものころは自分が障害者なんて思ってなかったから健常の友人たちが比較の対象だった。それが年をとってより重度の人と自分を比べるようになり、自分が重度になればより軽度の人に比べられるようになってしまった。みんなそうしてある意味、安心するのね。

・太く短い人生
加齢もあって最近はどんどんできないことが増えていく。いつしか工夫でできることを考えていくことに疲れ果てて、リハビリでできるようになることにも疲れ、残りの人生は消化試合だと思うようになってきた。いまさら新しいことを始めようという気力もなくなる。病気の進行、できなくなることが増えていくことに立ち向かうのは年をとってくると正直よりしんどいのだ。

いろいろ日々あるけれど、優しい人たちと交わりながらストレスを減らして生きていきたいなと思う毎日である。人生一発逆転なんて大それたことは言わないけれど、幸せ~とか楽しすぎる~と思えることに出会いたいとは思っている。そんな人生を送りたい。