令和4年も正倉院展開催決定!
正倉院とは
令和4年 10月29日(土)から11月14日(月)まで開催されることが発表されました。
正倉院展とは、奈良 東大寺にある「正倉院」という蔵におさめられていた宝物を展示するものです。
正倉とはお寺で大切な蔵のこと。
院とはエリアのこと。
正倉がある場所のことを正倉院といいました。
かつてどのお寺にも正倉があり、正倉院が存在してましたが、現在も残っている場所は少なく、正倉院と言えば東大寺というイメージになってしまいました。
正倉院の宝物の目玉は、なんといっても奈良時代に聖武天皇の願いによっておさめられた宝物です。
正倉院の歴史
そもそも東大寺は聖武天皇によって作られました。
聖武天皇は崩御の前、死後は盧遮那仏(大仏様)のいらっしゃる世界に行きたいと願いました。
その願いを叶えてもらうため、東大寺に沢山の宝物を奉納しました。それが今日の正倉院の宝物です。
これまでみだりに開かれなかったこと、定期的に点検されたこと…。こういうことが重なって、宝物は散逸せず、とてもいい保存状態で残りました。
奈良時代の宝物が、美しいまま、まとまって見られるのはまさに奇跡です。
この宝物を展示してくれるのが、正倉院展なのです。
正倉院展は、戦後、まだ日本が荒れ果てていて、食うや食わずやの時代、とても美術品の鑑賞などできる余裕のない時代に始まりました。
正倉院展が始まった理由
事の起こりは、戦争中に疎開していていた宝物が正倉院に戻る、となったことです。
疎開と言っても、正倉院からほど近い奈良国立博物館に避難していたのですが。
正倉院に戻る前に、ひとめ宝物を見たい、という声が上がり、それが昭和天皇にまで届き、宝物を展示することが決まりました。
その時は、それ1回限りのつもりだったということですが、これが大人気で、毎年展示を重ねるに至ります。
戦後、まだ物資も食べ物も不足していて、人々は生きるだけで精一杯でした。
でも、宝物を見ることで元気を取り戻す人が沢山いたのです。
人はパンのみで生きるにあらず。
宝物力を教えてくれます。
正倉院展の見どころ
正倉院展の最大のポイントは
展示される宝物は毎年違う ということです。
正倉院展 過去に見に行ったよー
だから今年はもういいや。
そんなお声をたまに聞きますが、展示内容は毎年変わります。
宝物は、その維持・保存に力が尽くされていますが、しかしいつかは滅びる「モノ」です。
なのでなるべく負担をかけないように、一度展示に出されるとその後しばらく展示をお休みすることが決まっています。
ですので去年のものが今年も見れる、といことはありえないのです。
正倉院の宝物はその数が多いのもポイントで、たとえ毎年欠かさず見に行ったとしても、全部見つくすのは不可能かもしれません。
人生は長いようで、でもアクティブに動けるのはどのくらいでしょう。
日本の歴史の中で、素晴らしい工芸品が多く生み出されていますが、こと奈良時代の作品のレベルの高さ、精密さは群を抜いています。
正倉院展は、何を差し置いても見に行く展覧会です。
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