奈良おすすめ漫画『あおによし それもよし』
☆おすすめ漫画『あおによし それもよし』
Amazon.co.jp : あお に よし それ も よし
石川ローズさんという方がお描きになっている『あおによし それもよし』という漫画作品があります。
奈良時代にタイムスリップしてきた「山上(やまがみ)」という青年は、ものすごいミニマリスト。
徹底的にむだなものがない奈良時代生活をとても気に入って、不便なはずの奈良時代を謳歌する…というポップで可愛い、歴史まんがといえなくはないけれど、どちらかというと不思議系ギャグ漫画です。
線がきれいで見やすいので、奈良のことや歴史を知らなくても、するっと読めてゆかいなところが気に入ってます。
この主人公が「山上」という名で、奈良時代に実在した「山上憶良」に重ねられていく…というのが秀逸なのです。
山上憶良は万葉集にて名高い歌人。
「貧窮問答歌」という歌を作ったことで有名で、官人でありながら、庶民へのいたわりの眼差しが深く、その歌は慈愛に満ちています。
山上憶良は、その前半生がよくわかりません。
40代になるまで、無位無官。
なんの位も役職にもついていなかったのです。
それが突然遣唐使になることで、才能を認められ、帰国後は出世していきます。
このあたりが、突如として現れて(タイムスリップして)歴史に残る歌を詠むことになるという『あおによしそれもよし』の漫画にぴたりとそぐっているのです。
漫画の中でヤマガミこと山上憶良がどんな活躍をするのかは実際に漫画を読んでほしいのですが、
奈良の景色
空気
一見何もない、ということに深く価値があるということ。
言葉にはしにくい奈良の良さというものを、この漫画はすごく端的にあらわしているかもなと思い、折に触れて読み返しています(^o^)
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