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[起業体験記12]顧客体験(UX)

ども。
野菜中心のヘルシーな食生活を目指して二郎系で「野菜マシ」を食べているならなすおです。

今回は起業体験記。
「顧客体験(UX:User Experience)」を取り上げます。
お客様が一般消費者の場合は、CX(Customer Experience)という言い方もしますね。

このテーマを選んだ理由は、最近会社の住所変更をした際に、「イータックスがいつもと違ってとても難しかった」経験に着想を得たからです。

ネットの入力画面なんかが理解しづらかったり難しかったりすると、誰かに聞きたくなります。
でも、最近、「問い合わせ窓口」、とっても探しづらくありません?
人手不足で、「電話問い合わせ」や「メール相談」といった昔ながらの顧客対応(CR:Customer Relationsと言ったりします。)が難しくなってきて、いろんなWEBサービスで、よくある質問」を充実させたり、チャット相談の仕組みを作ったり、AIに応答させたり、といった取組が増えてきました。

それらは、充分に親切かな、、、?
否、と言わざるを得ないように私には思えます。

私が県庁に勤めていた頃、電話が回ってきた段階で「先方さんは既に激怒している」ということが結構ありました。
たらい回しにされ、満足いく回答を得られず、イライラが募ってしまったんでしょう。
そんな時、どうしていたか?
①電話を掛け直す(電話代をこっち負担にする)
②まず、思っていることをお話しいただく
 お怒りも含め、全て
③落ち着かれてから、本題の話をする

↑は、そこそこ詳しい人間の人件費(時間コスト)を惜しみなく使った、リッチな対応です。
現在のわが国では、一部の高額サービスを除いて、そうしたリッチな対応を取りづらくなっています。

現代の顧客体験(UX)、人手不足な中で、どのように作っていったらいいのか?

割と多くの起業家さんが持っている課題かな、と思い「起業体験記」に入れてみました。

本編、始めていきたいと思います。


(1)イータックスで経験した「ハマリ」

まず、イータックス(国税関連の電子申請システム)が難しかった件をご紹介です。
私は普段、イータックスでは、自分の役員報酬と税理士報酬から預かっている「源泉所得」を毎月報告し、「ダイレクト納付」という方法で納税しています。
毎月、10分もかからないです。
超余裕です。
でも、今回は、違いました。

会社の本店所在地を引っ越したんですね。
んで法務局で登記を変更して、「履歴事項全部証明書」というのを発行してもらいました。
これを使って、各所に「会社の住所、変わりました」と知らせる必要があります。
最初にした手続が、イータックスでした。

普段簡単に使ってるんで、「余裕っしょ」と思ってたんです。
それが、全然、とんでもなかった。
2日、計6時間ぐらいかかりました、、、
相当な時間コストです。

①勘違い01「届出じゃない」

最初、軽やかにイータックスを操作してたんですね。
「あ、登録住所の変更、ここね」と思って、ちゃちゃっと入力しました。
で、念のために所轄の税務署に電話して、「この操作でOK?」と確認
そしたら、、、
全然違いました。
私が変更したのは「システムが把握している住所情報」だけで、「住所変更を届け出る様式」というのは、別にあるんだそうです。
電話で確認してよかった、、、
急いでイータックスを開き直して、様式を作ります。

②勘違い02「1件じゃない」

再度イータックスで「法人異動届出書(法人税、消費税)」という様式を埋めました。
で、履歴事項全部証明書のスキャンデータを添付して、電子署名(マイナンバーでするやつ)をして、ポチッ!
提出完了!
よし、終わったーと思ったんですが、なんか、出したやつに『「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出も必要です』とか書いてあったような、、、
その日は遅かったので翌日になっちゃったんですが、税務署に電話しました。
やはり、「所得税の源泉預かりに関する届出は別」にあって、やらないといけないとのこと。
再々度イータックスに入り、該当の届出画面を見つけ、入力。
提出完了!

これでようやく、終わったはず、です、、、

ネットを旅する顧客のイメージ
(AIで生成)


(2)お客様が求めているのは?

イータックスの場合、「申請・届出作成」というメニューから、提出すべき様式を選択する画面に移ります。
ここで、何の様式を出さないといけないかが、市井の者である私にはわからなかったんですね。

ちなみに、イータックスは、税理士さんが代理で操作しても良くて、弊社の場合「私が勉強したい」という理由だけで自分で操作しています。
税理士さんだったら、何を出さないといけないか知っていて、全然苦労しなかったのかも知れません。
後刻、メールで税理士事務所に報告したら、「出した書類を見せて欲しい」と言われました。
おそらく提出物の過不足を確認してくれるんだと思います。

んー、いい勉強になりました。

私にはイータックスの構成は修正できないですが、「どういう構成だったらユーザーに優しかったか?」と想像してみました。

自分の顧客体験(UX)を元に、理想形をイメージしてみたんですね。

このUXを実現する画面(UI:User Interfaceと言います)を作るうえでは、「最初の質疑の設計」「選択肢の設計」などを慎重にやらないと混乱するかも知れませんが、やってみる価値はあるのかな、と思います。

 お客様に必要な手続を、税務署さんが持っている専門知識、法の要請に照らして適切に教える、そんなシステムができると、手続のストレスがなくなるんじゃないでしょうか?

UIを設計する彼女
(AIで生成)


(3)人手不足社会のUX

紹介したイータックス手続を進めるうえで私が持っていたアドバンテージは、「行政が暇な時期を知っている」という事だけです。
だから、税務署さん、電話問い合わせに親切に応じてくれたんですね。
3月、4月だと、状況は全然違います。

そして、世の中的には、人手不足が進み、電話相談に親切に応じてくれるサービスは、もう絶滅してしまったかも知れません。

で、あるならば、重要なのは、「CRをAI化して無人でできるようにする」事ではなく、「顧客課題をシステム上で把握、解決できるUXを想像し、UIを設計する」という事に尽きると思います。

これって、実は、そんな莫大にお金がかかる話ではなくて、WEBシステムを作るうえでは、クライアントとIT屋さんの単純なコミュニケーションの問題だったりするんです。

これからWEBシステムを作ろうとしている起業家さん、UXをイメージしまくって、それを叶えるUIはどんなものか、考えまくっといた方がいいです。
んで、IT屋さんに制作を丸投げするのではなく、完成イメージを初めの打ち合わせで伝えておくことが大事です。

昨今、あまり親切でないWEBサービスが多いな、と思います。
これ、多分、クライアントがUI設計にもう少し積極的に関与すれば解決するのにな、と思ってしまいます。

もし、そこが不便なら、、、

起業家さん、
不便な所ほど、ビジネスチャンスです。
不便を便利にしたら、お客さんはお金を払ってくれるかもしれません

UXを議論する会議
彼女はいつも通りよそ見中
(AIで生成)


(4)私が提供したい顧客体験

私はIT屋さんではないので、WEBサービスをやる予定はないです。
でも、UXには、ものすごくこだわって仕事をしています

経営分析にも、会計にも、市場動向にも詳しくない経営者さんに対し、「見ただけでわかる資料」を心がけて作ります。

金融機関の担当者が、パッと見て「あ、これは成長するな」と判断できる資金調達申請資料を作ります。

クライアントの想定顧客の皆さんに、読んだだけで魅力が伝わるような紹介資料を作ります。

各種補助金の審査担当者が、数ページ読んだ段階で、「この経営者は勉強しているな」「このビジネスは有望だな」と思わせる申請資料を、経営者さんと一緒に作り上げます。

また、各種コンテストの審査者が、「このプレゼンテーターは練習している」「一生懸命伝えようとしている」「伝えたいことがまとまっていてわかりやすい」「この人にお金を出したい」と思えるようなプレゼンテーションを、経営者さんと一緒に作り上げます。

こうやって見ていくと、私の仕事は、100%「伝える工夫」だけです。
つまり、対象に納得してもらうという「UX」を作るのが、私の仕事です。

なんか、最近、色々伝わりづらい世の中じゃありません?

起業家の皆さん。

今私、めっちゃビジネスチャンスだなと思って、仕事をしています。

顧客が一堂に会して体験中・・・
(AIで生成)


(5)おわりに

今回は、いつもスムーズに使っているイータックスを、たまたまうまく使えなかった体験から、「顧客体験(UX)」について話してみました。

お客さんに満足してもらえることは、多分ビジネスに、金になります。

かなり前ですが、役所勤務の頃、起業家向けのワークショップ&セミナーに、「パズドラ」のガンホーの創業者である孫泰蔵さんに来ていただいたことがあったんですね。
んで、起業家さん向けに話してもらったんですが、「パズドラ」の開発の話の中で、「滑らかなパズルの動きには、すごくこだわった」という話をされていました。

日本のスマホゲーム界の金字塔である「パズドラ」。
あのパズルの動き。
「UX」ですよね。
「UXをイメージしまくって、UIを作り込む」

そこが突き抜けて、顧客から評価されれば、そこに成長ビジネスが生まれるんじゃないでしょうか?

今回も、ご覧いただき、ありがとうございました。

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