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ダフトパンク解散

ダフトパンクが解散したらしい。

いつもながらニュースはTwitterのタイムラインではじめて知る。

ジャミロクワイも超越する程のR&Bディスコなアルバム『Random Access Memories』を2013年に出したきり。新しい情報が何もアップデートされないままに迎えた2021年に流れた突如の解散。ダフトパンクほどの超大物なら、いつかサマソニやフジロックのような大型フェスで観れる機会に恵まれるんだろうなーって思ってたのだけど。

結局観れず終い。

打ち込みにのめり込んだ大学時代には既に3rdまでリリースされており、深夜にやってたサマソニのヘッドライナー紹介番組で「Robot Rock」のPVが流れていて、Gのコードをただ掻き鳴らすヘルメット2人組の映像のカッコ良さを強烈に覚えている。調べてみると2006年のサマソニ。フレーミングリップス、フェニックス、65daysofstatic、ってもう今考えたらどれだけ豪華なメンツを呼んでたんだろう。大学時代は極貧だったけれど、お金借りてでも行っておけば良かったな。

ダフトパンクで思い出す記憶は2つ。

1つは大学1年次の春休み。

あの頃はとにかく暇で、生活は昼夜逆転。バイト以外で外出することはほぼ無かったと言って良い。

そんな中、1ヶ月間マレーシアに留学してた彼女を空港まで迎えに行く為に電車に乗り、クソ寒い中成田空港のエントランスまで始発で出掛けた時にCDウォークマンに忍ばせたのが『Discovery』。耳の奥では永遠と「One More Time」が流れていた。勿論、お金が無いから鈍行で成田まで。始発の三鷹から2時間くらいはかかったのだろうか。途中寝てしまい、ハッと起きても耳の中ではOne More Timeがリピートされてた。ずーっと普通にオケが流れてるのに、いきなりぷっつーんと切れて鳴る鐘の音。そう、あの鐘の音だった。

あの時代、ダフトパンクはめちゃくちゃ売れていて、CDショップもレンタルショップも、洋楽部門のTopには必ずこの『Discovery』が陳列されていた。松本零士が描く顔の青いメーテルと鉄郎もどきがクールにすましてるジャケが。個人的にはディスコ感ある『Discovery』よりもリフ重視のロックテイスト溢れる次作『Human After All』の方が好きなのだが、ダフトパンクはどれもジャケットがロゴだけでパッと見判別付かないところがあるので、どれがどれだか良く分かってなかった時代もあった(バカか)。

あの時付き合ってた彼女、結局大学時代の3年半くらいの時間を一緒に居たんだけど、卒業間際に別れてからパッタリ音信不通になってしまった。サークルにも入ってた訳でなく、大学にも殆ど行かず適当なバイトと引きこもりを繰り返していただけの自分にとって、大学時代の思い出を共有出来る唯一の相手だったんだけど、、、。あれから15年近く。その頃の思い出も霞んできてしまって、とにかく時間を持て余していたから、家と彼女の家があった西永福の往復しかしてなかった。西永福のすき家とサミットはまだあるのだろうかな?

2つ目は映画『Tron Legacy』で流れるむちゃくちゃクールなCG映像。確かバーのシーンで本人達もDJ役で出演していた。

今見るとさ、解像度も空間認識も粗くてとてもリアルとは思えないんだけど、これが公開された2010年には映像美とダフトパンクが監修したサントラだけで映画一本まるまる観れるくらいの重量があって、冬のお台場に映画観に行った後、新宿のタワレコですぐにサントラを買った。後にも先にもこんなにカッコいい打ち込みはじめて!って思えたのはこのサントラだけじゃないかな?

にしても、見返すと本当に画質がチープ。

やっぱりさ、思い出は思い出のままが1番美しいって言うけど。たった10年とは言え、2010年も既に過去になっていたんだね。

「epilogue」ってタイトルがついた解散を告げるダフトパンクの映像。1人が相手の時限爆弾のスイッチを押して粉々になったところで「1993〜2021」って文字が出てダフトパンクの終わりを告げる。このニュースが流れただけでネットに溢れてたダフトパンクのレコードの在庫が無くなり、Twitter上にはダフトパンクに関連したコメントが溢れた。

どういう人達がダフトパンクを演ってたのか、顔も知らない。そして映像も見ただけじゃ終わりなんだかもよく分からない。

30年近く活動して、たった4枚しかないオリジナルアルバム。

よく分からない謎なまま、レコードの在庫と一緒に消えてしまったダフトパンク。

やっぱり06年のサマソニが見たかったっていう後悔しか残らないから、せめてレコードくらい気長に探して手に入れようと思う。

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