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【メディアリレーションズとは?】敏腕広報コンサルタントと新卒ドタバタ広報の二人三脚珍道中①

この連載では、敏腕広報コンサルタント・石川慶子(いしかわけいこ)氏と、新卒ドタバタ広報だったならきちが二人三脚で一人前の広報担当者を目指し奮闘した日々を振り返りつつ、広報の仕事について紹介していきます。

初回である今回は、広報業務と言われて真っ先にイメージされることも多い【メディアリレーションズとは何?】というお話。

広報のプロが考えるメディアリレーションズの本質とは。百戦錬磨の広報コンサルタントでも過去に失敗体験はあるのでしょうか。勇気が出ずメディアリレーションズをうまく築くことができないでいる新任広報担当者へのアドバイスも聞いてみました。

■登場人物

■プロローグ ~出会い~

2015年、秋。

私は、とある中小企業の内定者。大学4年生だった。

面接の段階で「広報として入社してほしい」と社長から言われており、内定者アルバイトとして先輩の元で自社について勉強中だった。

そんな中、次回の広報コンサルタントの方との会議に同席するようにと言われた。

優しい人だといいなぁ

当日、「おはようございます!」と挨拶と共に颯爽と現れた石川慶子氏は、ピンと伸びた背筋に、余裕を感じさせる柔らかな笑顔を浮かべ、会議室に入ってきた。

完全無欠のスーパーウーマンって感じだな……

「あら?」

「はじめまして、楢木(ならき)と言います。この会社に広報として入社することになり、いまは内定者としてアルバイトをしています。これからよろしくお願いします」

「そうなんですね、いっしょに頑張りましょう」

しっかり私の目を見据える石川氏の眼力に圧倒されながら、私はこの人についていこうと決めたのだった。

■メディアリレーションズとは?

メディアリレーションズとは、メディア関係者と良好な関係性を築き、それを継続していく活動のことを指します。

▼以前ならきちが執筆したこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。メディアリレーションズを築く上での5つのポイント、3つの注意点などを紹介しています。

■広報初心者がメディアリレーションズでやりがちな失敗

広報に着任してすぐの間は、これまで関わることがなかったメディア関係者との接し方を難しく感じるものです。

緊張のあまりうまく話せなかったり、立場は対等なはずなのになぜかヘコヘコしてしまったり……。

今や多くのメディアでコメントを求められる危機管理のプロフェッショナルであり、広報コンサルタントとして数々の企業のブランディングやトレーニングを手掛けてきた石川氏。

そんな彼女でも広報コンサルタントを始めたばかりのころは失敗もしたといいます。

石川慶子氏の過去の失敗

FAXの送信ミスをしてしまった
・プレスリリースを違う記者に送ってしまった
・プレスリリースの配信日時を間違えてしまった
ダブルブッキングしてしまいアポイントに行けなかった
しつこく電話をかけてしまい記者から怒られた
・記者会見当日、資料が足りず急いでコピーしに走った
・記者に怒られたから謝ったのに、謝り方が悪かったのか余計怒られた
・クライアントと記者のアポイントに同席してもうまく広報としてのフォローができず、ただ黙って見ているだけだった
・記者と引き合わせたクライアントが「いま話した内容は記事にしないでください」と言い、「どういうつもりで自分と会わせたのか」と記者から怒られた

ならきちの過去の失敗

ちなみに新卒ドタバタ広報だったならきちは以下のような失敗をしたことがあります。

・プレスリリース配信後に電話番号を間違えて記載していたことに気が付いた
・記者会見のバックボードを手作りしたら会見中にボロボロ剥がれ落ちてきた
・取材の事前打ち合わせで十分な戦略が練れず、自社の方針とはズレた見出しを掲載されてしまった
・新聞社に電話をかけたもののオロオロしていたらガチャ切りされてしまった
・海外在住日本人向けメディアに電話をかけたら英語で対応されてしまい、「Is there anyone who can speak Japanese?(日本語を話せる人はいますか?)」を連発する羽目になった
・良かれと思って、記者が探している情報に当てはまりそうな企業の広報担当者を紹介したら「勝手なことしないでください」と怒られてしまった

広報担当者であれば「ひぇぇ……」と肝が冷えるものばかりではないでしょうか。

これを読んだあなたには、同じ失敗をしないように教訓としていただけたら嬉しいです。

しかし、失敗を恐れて行動に移せずにいたら、いつまでたっても仕事ができるようにならないのも事実。

メディアリレーションズを進めるためのあと一歩が踏み出せない広報担当者に向けて、石川氏にアドバイスをもらってきました。

■あと一歩を踏み出す勇気が出ない広報担当者へメッセージ

タフに生きましょう。

失敗したら、誠心誠意、謝ればいい。

落ち込むけれど、怒られながらも、やるしかないのです。

一生懸命に取り組む姿勢は記者にもきちんと伝わります。

熱意は、伝わります。

失敗してしまったとしても、それが自分なりに精一杯努力した結果だったのだとしたら決して悪い方向には向かいません。

記者を怒らせてしまったとしても、やりとりの中でトラブルが発生したとしても、かえって相手の印象に残り結果的に良好な関係に繋がることだってあります。

私だってたくさん失敗してきました。

恐れることは何もありません。

人はみんな失敗を繰り返しながら成長していきます。

大丈夫。

タフに生きましょう。

石川慶子

■次回 メディアリストとプレスリリース

第1回である今回は、メディアリレーションズとは何か、広報の失敗体験談、失敗を恐れてメディアリレーションズになかなか踏み出せない広報担当者へのメッセージを紹介しました。

次回は、広報活動の基本とも言えるメディアリストの作成とプレスリリースの作成についてお伝えします。

■本記事の内容を動画で見たい方は……

本記事は、石川慶子氏公式YouTubeチャンネル『石川慶子MT』のインタビュー動画を元に作成したものです。

『石川慶子MT』とは
参議院事務局勤務、映画製作プロデュース、広報PR会社勤務を経て、2児目妊娠を機に2000年に独立した広報コンサルタント・石川慶子が、母、女性、仕事人として自分をどうマネジメントしているのかを発信していくYouTubeチャンネル。MT=メディアトレーニング。

本記事の内容を動画で楽しみたい方はこちらからご覧ください。

■関連リンク

▼広報コンサルタント 石川慶子 公式サイト

▼この連載の記事一覧


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