【切迫早産(40日間入院編)】ならきちの泣き虫妊婦生活記⑧
忘れもしない2018年12月11日。
妊婦検診のつもりで産院に行ったら、子宮頸管は1.2センチという短さになっていた。あれよあれよと車椅子に乗せられそのまま入院が決まった。
正産期までは赤ちゃんをお腹の中で育ててあげたい。産院で安静にすることが赤ちゃんのためにベストだということは頭ではよく分かっていた。
それでも入院自体がショックで涙が止まらなかった。
底知れぬ不安。赤ちゃんは大丈夫なのか。私の体は大丈夫なのか。
その日検診を担当した先生が突き放すようなものの言い方をする人だったこと、そしてまさにこの日の午前中に闘病中の祖父が亡くなったこともあって、私も母もひどく落ち込み動揺した。
NST(ノンストレステスト)で陣痛間隔を測りながら、早速張り止めの点滴の投与が始まった。入院する部屋も迅速に手配されていた。書類も渡されたけどよく分からないままサインした気がする。
バタバタとした入院初日となったが、とりあえず赤ちゃんが産まれてきても大丈夫そうな妊娠36週まではほぼ入院確定ということと、張り止めの点滴はその間入れっぱなしだということだけはなんとか理解し飲み込んだ。それでも心が現実を受け入れられず、最初の数日間は泣いて過ごした。
入院生活中は点滴の副作用で苦しむことや、刺しっぱなしで生活することで生じる弊害が多かった。
大体1週間おきに点滴の針を刺し替えていたので、左腕がボロボロになった。運が悪いと2日くらいで刺した部分がパンパンに腫れて痛くなってしまい、そうするとまたすぐ刺し替えになる。
▼ボロボロの腕の写真入りの体験談はこちら
数日たつとなじむことがほとんどだったが慣れてきた矢先にまた刺し替えの時期が来る。これぞエンドレス点滴地獄。でもこのために入院しているといっても過言ではない。だって張り止めを24時間投与するほどの緊急性がない妊婦さんであれば、1日3回張り止めの飲み薬を服薬して自宅安静するだけで済むのだから。ひたすら寝たきりで点滴を24時間投与する必要があるから入院しているのである。
入院生活のスケジュールは下の図のような感じ。この時期の妊婦さんは通常1~2週間に1回の検診だけど、入院している私は週3で診察をしていた。
NSTは毎日必ず。面会は13時~17時までOK。旦那は土日に会いに来た。母は基本的に月曜と水曜だったけど必要があれば何度でも来てくれて本当に心強かった。
毎日のNSTは同じ体勢を維持するのが苦しいから嫌いだった。それに子宮の張る回数が多かったら、点滴の量を増やされたり濃度を上げられたりしてしまう。そしたら副作用が強くなるから毎回ビクビクしていた。張りが多い日は念のためにと夕方にもNSTとられることもあり、つらかった。
診察での内診は何回やっても慣れないし「子宮頸管が短くなっていたらどうしよう…」と不安だし、ストレスだった。
こんな日々を過ごす中、さらに私の精神を不安にさせる出来事もいくつかあった。
縁起でもない夢を見たり、相部屋の人が緊急搬送されたり早産で緊急出産して「明日は我が身…」と真っ青になったことも。
嫌いな先生が担当医になってしまい泣きながら助産師さんに訴えて担当を変えてもらったり…。40日間も入院していればいろんなことがあるものだ。
それでもいいこともあった。産院のクリスマス会に参加させてもらったときは、別の入院妊婦さんのお子さんが可愛くて癒されたり、院長先生に積み木とお菓子をプレゼントしてもらったり、豪華なクリスマスディナーを食べたり。
紅白の米津玄師が見られず消灯時間になったときは悲しかったけど、一人の病室でひっそりと年越しをした。こんな正月の過ごし方、最初で最後だろうな。
年が明けて1月2日にはNSTをしながら箱根駅伝を見て、順天堂大学出身の助産師さんと盛り上がった。
母親学級に参加できなかったから助産師さんが私一人のためにお話ししてくれたり、そのときにシャワーを浴びれない私が少しでもリラックスできるように足湯をしてくれたり、体を拭くための温かい濡れタオルを持ってきてくれた。
たまに先生から許可が出るシャワーは最高だった。点滴が腕についてないってこんなに自由なの?人間って本来こんなに動きやすい生き物なの?!
子宮頸管の長さと赤ちゃんの成長を週3の診察で確認しながら退院予定日は前後し、私はそのたびに一喜一憂した。さらには入院後半は嘔吐や便秘にも悩まされた。
最終的には赤ちゃんが産まれてきても問題ない程度に大きくなったと判断された妊娠36週5日目の2019年1月19日に退院する許可が出た。
泣いたり笑ったりの40日間、人生で一番長く感じた40日間だった。(一日が信じられないくらい長いよ…)
ちなみに寝たきり生活で日中何していたかというと、ひたすらスマホでほかの切迫入院妊婦さんの体験談を読んだり、ポケモンのゲームしたり、ラジオ聴いたりしてた。テレビはあんまり見なかった。ほぼスマホいじってた。旦那がレンタルしてくれたポケットWi-Fi大活躍。
退院した翌日の朝には陣痛が来てその夜には出産するとは、この時の私は知る由もなかった…
▼出産レポに続く…
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