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【記者会見】敏腕広報コンサルタントと新卒ドタバタ広報の二人三脚珍道中④

この連載では、敏腕広報コンサルタント・石川慶子(いしかわけいこ)氏と、新卒ドタバタ広報だったならきちが二人三脚で一人前の広報担当者を目指し奮闘した日々を振り返りつつ、広報の仕事について紹介していきます。

今回は、多くのメディア関係者が出席し、広報担当者としては緊張する場でもある【記者会見】についてお伝えします。

会見が決まってからは、会場準備、資料作成、集客……、やることが盛りだくさんです。当日や会見終了後のフォローも含めて一連の記者会見対応について解説します。

数多くのメディア向けイベントを手掛けてきた石川慶子氏からたっぷりアドバイスもいただきました。

■登場人物

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■記者会見

自社のトピックスについて、プレスリリースだけでなく、より強く広く世間に訴求すべきだと判断した場合、記者会見を実施します。

図3

※今回お話する記者会見は、新製品発表会や事業戦略説明会など平常時の会見を想定しています。謝罪会見など緊急時の会見は流れが異なります。

準備
・登壇者と日程調整
・スライド資料、その他配布資料、司会原稿、プレスリリースなどの作成
・会場選定、手配
・備品準備、手配
・誘致するメディアの洗い出し
・想定質問作成→登壇者と打ち合わせ、リハーサル
・案内状作成→集客
・集客状況を見て資料の準備、飲み物等の手配
・集客状況を見て会場レイアウト作成→手配

最低でも1回は十分に時間を確保してリハーサルをしておきましょう。

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リハーサルでは広報担当者が記者役となって質問をします。本番で落ち着いて回答できるよう、想定質問を作成して練習しておくことも重要です。

当日は記者からカメラで撮影されたり、鋭い質問が飛んできたりと、緊張感があります。身だしなみを整え軽いリハーサルをして、リラックスして臨みましょう。

当日
・会場レイアウト確認
・機材セッティング(音響、映像)
・記録用ビデオカメラセッティング
・リハーサル
・資料や飲み物のセッティング
・受付、ご案内
・司会進行
・終了後のフォロー、ヒアリング
・片付け、備品返却、会場チェックアウト手続き

会見終了後は、質問への回答を記者にメールで送信したり、追加の資料を送ったりとフォローをします。仲の良い記者には「会見どうでしたか?」とフィードバックを求めてみても良いですね。次回以降に活かしましょう。

後日会見内容が記事化されていたら、感想を記者にメールしたり、社内に共有したり、必要があれば二次利用の申請をするなど、普段自社がメディアに取り上げられた際と同様の対応をします。

会見中にはビデオカメラを回しておき、登壇者とそれを見ながら反省会をします。喋り方や仕草の気になる癖を把握しておくと今後の改善に繋げられます。

▼私が以前勤めていたリングロー株式会社の広報ブログに書いた記事です。東京国際フォーラムで実施した記者説明会について写真付きで解説しています。良かったら参考にしてみてください。

石川慶子氏からアドバイス

・集客の際はやみくもに記者に声をかけるのではなく、情報を喜んで受け取ってくれそうな人(=メディアの背後にいる読者)は誰かをイメージしましょう

・記者会見と聞くと多くのメディア関係者が出席する大規模なものをイメージするかもしれませんが、重要なのは人数ではないと考えています。現時点では自社のネタでどれくらいの記者を呼べるのかという指標になりますし、会見を実施したということ自体が実績になりますので、あまり人数にナーバスにならないようにしましょう

・初回は会場をレンタルせずに自社で実施するという手もあります。集客が少なかった場合のリスクヘッジになりますし、機材を運搬する手間が省けます。オフィスを見て雰囲気を感じ取ってもらえるという意味でも1回目の記者会見を自社で実施するのはおすすめです

・記者に記者会見の案内状を送った後、返事がなければ電話で確認してみましょう。忙しくて返信を忘れていた、メールが埋もれてしまっていた、という場合もあります

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・会見数日前には、多忙な記者のためにリマインドすることも重要です。また直前になってスケジュールが空いて来られるようになることもあるので、諦めずに一度断られてしまった記者に連絡してみても良いでしょう

・どうしても来てほしいメディアがある場合には、会見日時を決定するよりも前に希望を聞いてしまうのもアリです。「○○の内容について会見予定なのですが、どうしても○○さんには来ていただきたいと思っています。ご都合の良い日程はありますか」と尋ねてみましょう

・会見当日、広報担当者はウェルカムな場作りに徹しましょう。笑顔を意識し、記者や登壇者とアイコンタクトをとり、個別に声掛けをします。記者会見は会社の雰囲気を伝えることができる場です。フレンドリーにふるまうことで記者に良い印象を与えましょう

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・会見後、社長が特定の記者に捕まっていて忙しそうな場合、他の記者からの質問に広報担当者が対応できるよう準備しておきましょう

・厳しい質問をしてくる記者もいますが、実はそんな人ほどフレンドリーだったりします。質問をして真実を引き出すことは記者の仕事です。あくまでもそれが役割なのだと割り切って、臆せずに接しましょう

■よりアットホームなイベント・記者懇談会

記者会見という硬い形式のものではなく、日頃から懇意にしてくれている記者を5~6人集めた記者懇談会(懇親会)を実施してみても良いですね。

あるテーマについて記者数名で社長を囲んで話を聞ける場を設けるという、よりアットホームなイベントです。

■次回 危機管理対応

第4回目である今回は、記者会見について事前準備から当日の流れ、会見後のフォローについてや、石川慶子氏からのアドバイスを紹介しました。

次回は、石川氏の専門分野でもある不祥事発生時の危機管理対応についてお伝えします。

■本記事の内容を動画で見たい方は……

本記事は、石川慶子氏公式YouTubeチャンネル『石川慶子MT』のインタビュー動画を元に作成したものです。

『石川慶子MT』とは
参議院事務局勤務、映画製作プロデュース、広報PR会社勤務を経て、2児目妊娠を機に2000年に独立した広報コンサルタント・石川慶子が、母、女性、仕事人として自分をどうマネジメントしているのかを発信していくYouTubeチャンネル。MT=メディアトレーニング。

本記事の内容を動画で楽しみたい方はこちらからご覧ください。

■関連リンク

▼広報コンサルタント 石川慶子 公式サイト

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