新潮文庫『最後の恋 MEN'S』を読んで
男性が描く恋愛が読みたくて、この本を手に取りました。
朝井リョウ、伊坂幸太郎、石田衣良、荻原浩、越谷オサム、白石一文、橋本紡……。そうそうたる顔ぶれです。
この本について
男は、とっておきの恋ほど誰にも見せない。本当の恋のクライマックスは、自分の心だけが知っている。忘れられない、忘れたくない気持ちはきっと、ひとりで大切にするものと解っているからーー男たちがどこか奥のほうにしまいこんだ「本気の恋」。7人の作家が描き出すのは、女には解らない、ゆえに愛すべき男心。恋人たちの距離を少しずつ、でも確かに近づける究極のアンソロジー。
男性作家の恋愛もの、初めて読んだ
勝手に「心理描写は女性作家の方が繊細で共感しやすいだろう」などと思い込んでいましたが、それはまったく違いました。
書き手が誰か、書き手の性別が男か女かなんて意識する間も無く、物語にどんどん引き込まれていました。
完全に私の食わず嫌いでした。
今思うと私はこれまで男性作家の恋愛小説を読んだことがありません。びっくりだ。
登場する女性たちはどことなくミステリアスだったり、心に何かを抱えていたり、それぞれ個性的でみんなとても魅力的でした。
男性が考える理想の女性像なのかなぁ……なんてことを考えたりしながら、読みました。
アンソロジーは出会いに最適
新しい作家の作品を手に取るのはハードルが高い!と感じてしまう保守的な私にとって、複数人の作家によるアンソロジーは出会いの入り口として最適です。
育児中で読書時間が細切れになるので、短編集というのはとても便利で、相性が良いなと感じます。
本作で新たに知った作家たちの本も、これから少しずつ読んでみます。
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