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【9月30日オンラインイベント】Michiさんインタビュー#02

私たちの活動を多くの人に知ってもらいたい!
デンマークの教育やフォルケについて色々な情報を届けたい!

そんな思いからスタートした月1イベント企画。
その第2回目には、モーレツビジネスパーソンの経験を経てNordfyns Folkehøjskole(ノーフュンス フォルケホイスコーレ)とVestjyllands Højskole(ヴェストユラン ホイスコーレ)に留学されたMichiさんをゲストスピーカーとしてお迎えしました。

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当初予定の定員94席が満席以上になるお申し込みをいただき、当日も大変盛り上がりました。その様子をレポートしますので、最後まで読んでいただけると幸いです。

▼Michiさんのプロフィール
かわいい家に憧れて女子大学の住居学科へ進学するも、自身の理想と日本の建築家が目指す方向の違いに気づく。卒業後は北欧発祥の住宅メーカーにて営業に従事。結婚、離婚を経て退職し、デンマークのフォルケホイスコーレ2校へ留学。卒業後は3ヶ月、憧れのスウェーデンのお家をひたすら見て回る生活を送り帰国。
現在は住まいに関するベンチャー企業で、セールスプランニングとして幅広い業務に従事し、今の日本に必要な生き方や暮らし方を提案しています。プライベートでは古民家暮らしを開始、北欧と日本の良さを融合させる挑戦中。IFAS広報部としてフォルケホイスコーレやそのエッセンスを日本に伝える活動も行なっています。

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-留学期間はどれくらいでしたか?


合計1年間です。1つ目のフォルケホイスコーレ(以下、フォルケ)は半年間です。夏休みはデンマーク中を旅行した後、2校目に3ヶ月在学しました。その後はスウェーデンへ渡り3ヶ月間でたくさんの可愛い家を見て回りました。

-留学した学校はどこですか?


1校目はノーフュンスフォルケホイスコーレです。デンマーク語とデンマーク文化、BODY&MIND アウトドア、サスティナビリテーを学びました。フュン島の北部にある学校です。
2校目はヴェストユランホイスコーレです。パーマカルチャー、陶芸、デンマーク語、醸造・保存食、合唱を学んでいました。1校目の先生に紹介を受けてこの学校を選びました。ユトランド半島というドイツと繋がった半島の西部にある学校です。

-留学しようと思った理由は何ですか?


新卒からほとんど毎日終電で帰宅するような多忙な生活を送っていました。20代で憧れの結婚もしたのですが、家庭と仕事の両立を目指すも離婚し、夢と希望がなくなりました。仕事も家庭も一所懸命頑張っても幸せになれないことから、自分が本当にやりたいことは何かを考える様になりました。
離婚を経験したことで、引かれたレールを突っ走れなくなり、逆にテンションが上がってきて下記の様に考える様になりました。
・敷かれたレールから外れたので自分でレールを作ろう!
・北欧の暮らしを実際に経験してみたい!
・自分の経験が誰かの背中を押せるかも!
・人生は一度きり、やりたいことをやろう!
・自分のために思いきり時間を使ってみよう!
と、デンマーク留学を決意しました。

周りの反応は
・デンマーク行って何するの?
・何を勉強するの?
・帰ってきてからどうするの?
・無職の期間があると再就職厳しいよ
・よくその歳で留学するね
といったものがありますが、大概は経験していない人が憶測で不安を煽ってくるので気にしない方がいいと思います。

-留学を通して楽しかったことは何ですか?


毎日が終電の生活から、緑がいっぱい、空が綺麗、ゆとりがある空間に投げ込まれて幸せでした。
学校生活で大事なことを最初に学びました。
1.Glocal Responsibility
2.Living Community
3.Life Skills             
4.Equality
5.Presence
6.Democracy Training

デンマーク語の授業では「天気が良いから外に行こう!」と先生がおっしゃって、外での授業が始まります。空を飛んでいる鳥を見て、「あの鳥はデンマーク語でなんていうかな?」と実践で学ぶ経験をしました。

最初のアウトドアの授業では、崖を登りました。何をしにデンマークに来たんだろう?と正直思いました(笑) 季節のお花からシロップを作ったり、エビをとる網を作って海で全力でエビを取るなどもしました。

1月から6月の期間のうち3ヶ月はコロナで隔離生活になりました。留学生だけが学校に取り残されたので、自分たちで工夫して生活していました。焚き火をしてパンを焼いたり、丘で読書、寝袋を使って外で寝たり、食費を節約するために海でムール貝を取って満腹になるまで食べたり、本当に暇だったので自転車に寝袋を乗せて野宿の旅に行ったりと、自然にサバイバル能力がつきました。コロナの時期でも自分自身で楽しめて、生きる力があれば、どこでも生き残れるのではないか?と感じる様になりました。


その経験から自給自足を学びたいと思い、2校目のフォルケホイスコーレを選びました。2校目では生徒たちがとてもクリエイティブでした。ベリーでシロップやジャムを作ったり、学校が所有する畑で野菜を作って食事に出したり、陶芸でお皿を作ったり、編み物をしたり。9割くらいの人が編み物をしておりセーターなどを編んでいて、私も教えてもらいました。日本だと編み物はおばあさんがすること、というイメージですが、ここでは流行でした。ただ単に「買う」のではなくまず「自分で作る」というのが、デンマーク人の前提としてあるのだと思いました。

【チャレンジ精神と誉める力】
毎月最終金曜日はフライデーナイトというものがあって、自分の特技や学んだことを発表する場になっていました。私はデンマーク語の詩を読みました。みなさん理解してくれていたかわかりませんが、めちゃくちゃ褒めてくれました。ちょっとデンマーク語を話すだけでも「わ〜すごい!!」陶芸でお皿を作っても「素敵!」と先生にめちゃくちゃ褒められました。何をしても人に褒められる、このような環境に身をおいたのが人生で初めてでうれしく感じ、自分の自信が湧き起こってくることを肌で感じました。

 コロナの影響で修学旅行が無くなったので、学校の周り100Kmを歩くという謎のイベントが修学旅行に。(周囲と比べると)背が低いので、ついていくのが大変で、自分のペースで歩く様にしました。3日間で100Km歩くなんて、と思いましたが意外とやればできるという自信になりました。

【自分の常識は常識ではない】
 雨水を使って生活する家が学校の近くにありました。排泄物もコンポストにしたりといった持続可能な生活。高校の時に思い描いていた風景が目の前にありました。できないと思っていたことが不可能ではないのだとわかりまた。
 外気温3℃の真冬に、近くの湖に男女問わず全裸で飛び込む経験をしました。(女子が混ざっているのに)撮影しているのが男子だったりで日本では考えられない光景でした。「同じ人間なのだから、誰もあなたをジャッジしないから気にしなくていい」と言われた。「人は人」「人を勝手にジャッジしない」というところ、また皆オープンなところが衝撃でした。一皮むける経験ができるので、皆さんもデンマークに行かれたらぜひチャレンジしてみてください。


-フォルケホイスコーレでの学びが生かされている感じる時はありますか?あるとするとどのようなことですか?


北欧の暮らし方を日本でも実践したい →季節の花を使って何かを作るって、デンマークで体験したけど日本にも季節の手仕事ってある! →日本のことを学びたい、と考える様になりました。
暮らしにまつわる仕事をしたいと考えていたところ、タイニーハウスという小さい家を取材している会社を見つけました。熱いメール送ったところ、スウェーデンからオンラインで面接をしていただき、採用に至ったのが今の会社です。「自分が妥協せず、何がやりたいかを追求すること」が実を結びました。そしてその時に社長からこう言われました。自分の人生を変えたくて、フォルケホイスコーレへ留学するという行動をしたことについて「思っていてもほとんどの人は実行に移せないだろう」と。それが自信につながりました。

今は駅から徒歩50分の古民家に暮らしています。店も何もないところなので近所の人には「なんでこんなところに来たの?」と聞かれたりします。
利便性よりも、緑が見えたり、環境を重視する様になりました。古いものを大切にしたいという思いから古民家を選びました。(北欧のように)キャンドルやランプなどあったかい光の中で暮らしています。コンポストをしたり、D I Yで何かをを作る生活しています。

留学したことで同じ様な価値観を持つ、仲間に出会えました。また「自分の心の声にしたがって生きていい」ということが学べました。

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いかがでしたでしょうか? Michiさんが留学前には日本的価値観に囚われて苦しんでいる様子、そこから自分の想いを大切にデンマークのフォルケホイスコーレへ飛び出した経緯、デンマークで学んだことと自分の中にある日本の良さを融合する生き方にたどりつかれたプロセスがとてもよくわかり、大変感銘を受けました。とてもワクワクするストーリで、もっとずっと聴いていたいと思わされるひとときでした。

-告知

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編集&ライター:Yoko

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