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#11_ジャニオタという遺伝子を持って生まれた女

撮影協力のメールが届いたとき

「混乱防止のため“当選されたことも含め”一切SNSに情報を転載しないでください」という文言が書かれていた。

確かに集まったファンは比較的年齢層が高く、コンサートのMCでも忠義が「みんなももう大人やもんね」と言っていたことから

今までのイベント等でも転売などの問題を起こしていない、ある程度落ち着いた年齢層の会員番号が選ばれたのかもしれない。

実際、この収録が行われる直前にラジオで「髪を金髪にしました」と言った忠義の髪色にすら誰も触れることなく
一切情報が流れない徹底したイベントになった。

ここにもし若い子が参加していれば、「大倉くん金髪似合ってた!」などとマウント発信をしてしまっていたかもしれない。

この情報がサタデープラスで初解禁されたのは6月末のこと。

そして公開された十五祭のティザー映像では、
松竹座の会場1000人から、関ジャニ∞としてのコンサート動員数が1000万人に到達するという。

FM大阪から移動時間に合わせ松竹座の会場に入り、真っ直ぐ座席に向かい、着席する。

入り口のエスカレーターから、見慣れた光景。

懐かしい緞帳。

大阪松竹座の緞帳

中学生の頃、
ただただ楽しく観ていたこの場所での幸せな記憶が呼び起こされる。

脱退後、何度か内くんがここで舞台をするときは必ず観に来ていたこの松竹座に
今日もう一度、関ジャニ∞が6人で立つことになる。

15周年のイベントで、
1000万人に到達する前、

“すうも一緒にここに立って欲しかった。”

そう思わずにはいられなかったけれど。

聞き覚えのある信五のセリフと「旅人」とともに始まったコンサートは、
もう二度と見られないと思っていた2002年のコンサートのような懐かしいものだった。

音が出ないハプニングも、昔に似た若すぎて恥ずかしいと言う衣装も、
真横の通路にお立ち台が出てきて客席に降りてくる感じも。

このCool Magic Cityが初めて歌われたのはやぐらダンスのときだったかなぁ。
それから松竹座で歌われるときは毎回、誰かと振り付けを踊ってたなぁ。

このとき、私たちの真横にはまたヤスが居て
ちゃっかりDVDに映り込んでしまっている私たちはとても楽しそうに踊っていた。

渋谷すばるの声が無いのにやっぱり懐かしいと思う曲たちを身体中に浴びながら、

“あぁもう一生無いな”と思うこの距離は、過去の自分が思い描いていた距離とかけ離れたものだった。

手を伸ばせば全員に触れられる。

こんな風に近くで見られることはもう二度とないと思っていた。
また松竹座でこんなイベントがあるとは思ってもいなかった。

「しっかり15年、お互い年取ったよね」ときみくんも笑う。

恥ずかしくなるほどのその近さで
観客に揉みくちゃにされたことや、あそこのお店潰れてたわ、とみんなが話す思い出話。

「内も知らんうちに一端の舞台俳優やな」「うちだけにな!」
「すばるくんも元気かなぁ」「いやすばる死んでへんて」

エイトたちの口から出るその名前にはやっぱり反射的に涙が出る。

すすり泣く声が本人たちに聞こえるんじゃないかと思うほどの距離で進められるMC。

もう無かったことにはされてない。
この距離でなら、エイト本人たちはもう何も隠さないでいてくれるのかなと思った。

それからも進められる松竹座での懐かしいコンサートを観ているこの間は
半年後にはもうりょんが居なくなっているなんて、考えられなかった。

優しい顔つきで15周年の感謝を伝えてくれるエイトたちはこのとき、
すでにりょんが脱退のタイミングを話し合っていたんだろう。

もしくは平行線で、話し合いすら出来ていなかったかもしれない。

7月から行われる十五祭を「悲しいものにしたくなかった」とのちに語る忠義は
すうの会見の時もりょんが辞めたあとも一番
ファンが感じた“出せない怒り”のような部分を代弁してくれていたように思う。

だからこそ私は、この6人が作る「十五祭」をきちんと見届けようと思った。

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