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新生MERYを分析してみた

こんにちは、Nap(@Naptronic)といいます。
アプリのデザイン、グロースなどしております。

MERYが帰ってきたので、新機能の狙いなどを分析してみたいと思う。

ビジョンとミッション、編集体制について

小学館と組んでの再スタートだが、MERYのプレスリリースを見ると、ビジョンとミッションは以前と大きく変わらないように見える。

ビジョン:女の子の毎日をかわいく
ミッション:「好き」に出会える、「好き」を届けられる世界をつくる
女性向けメディア「MERY」サービスリリースのお知らせ

編集体制は大きく変わったようだ。
以前のような「量」ではなく「質」を重視する編集体制が組まれた。

MERY公認ライターおよび編集部が執筆した記事は、法令に基づき各種確認を経て公開判断を行います。
(1) MERY公認ライターとは、株式会社MERYにて新たに採用面接を行い、教育・研修を受けたライターです。
・一般投稿による記事は一切取り扱いません。
・非公開化前の旧「MERY」の記事は一切使用しません。
(2) すべての記事は校閲、編集部の二重チェック後に公開いたします。
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UIのデザイン変更について

記事まわりのUIについては、基本的に大きく変わっているところはない。
UIについては、以前からよく考えられており、うまくいっていたので正しい判断だと思う。
参考:女子の心をつかむUIデザインポイント - MERY編 -

画像の一覧については、若干の変更がある。
以前は一覧性を重視したレイアウトだったが、リズムをつけたレイアウトに変更され、楽しさを重視した設計となっている。

以前のままのMERYなのか?

ここまで見ると、大きな変更点はないように見える。
むしろ、以前のように記事を量産できる編集体制ではなくなってしまい、PVは落ちるのではないかと思う。

社内で記事の量産はできない、しかしPVを稼げなくなれば収益は落ちていってしまう。

そんな課題を解決するための策が、新機能の「BOX」ではないかと私は考えている。

新機能「BOX」の概要と狙い

「BOX」とは、お気に入りの画像や記事、商品を集められる機能である。
BOXは下記のような特徴がある。

* BOXにタイトルを付けて、公開できる
* ユーザーは複数のBOXを作成できる
* 公開されているBOXをフォローすることができる

つまり、BOXとは、キュレーションメディアをユーザーがさらにキュレーションできる機能である。

前述の通り、編集体制の拡大コストが高くなり、記事を量産できなくなった。

そこで打開策として、単純に記事を量産するのではなく、質の高いベースとなる記事を作成し、さらにそこから影響力の高いユーザーに再構築、拡散してもらうという狙いでBOX機能を作ったのではないかと考える。

想定される課題と対策

ここで「影響力の高いユーザーにいかにBOXを作成してもらうか」という課題が浮かんでくる。

現状、BOXのフォローを促すことはしているが、BOXを作ってみたくなるような仕掛けは見当たらない。


ユーザーにBOXを作ってもらわなければ、少ない記事だけで戦わなければならず、PVは伸びていかない。

しかし、ここで小学館と組んで再スタートしたことが活きてくるのではないかと考える。

小学館はご存知の通り、「CanCam」や「プチセブン」などのファッション雑誌を抱えており、株式会社MERYの社長の山岸博氏はそれらの雑誌を手がけた人物である。
それらの雑誌にはきっと影響力の高いモデルが在籍しており、彼女たちが自分のお気に入りのコスメ、服、写真などをBOXにして公開すれば、多くのファンがそのBOXを見るようになるだろう。
そして、それをきっかけとして多くの人が自分のBOXを作成し、公開するようになるのではないか。
作成されたBOXは、雑誌、Instagram、Twitterなどによって拡散されていくだろう。

記事を量産できなくなった逆境を、このようにBOXという新機能を軸に乗り越えていこうとしているのではないかと思う。

はたしてうまくいくのかどうか。今後もMERYに注目していきたい。

思考を加速させるためのストロングゼロ代にさせていただきます♡