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かんじいさん

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かんじいさんの音楽と本
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#本が好きな人と繋がりたい

ZAZ こんな曇り空の午後には...

この映像で彼女を知った。 アルバムを何枚も聴いた。 こころ、躍った。

かんじい
2年前
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“精神の腐食”のはじまりなのだ。

~人間はいかなることにも馴れる動物である~ ドストエフスキー自身の収容所での過酷な生活を…

かんじい
1年前
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もう少しそばに置いておこうと思う。『アンジュール‐ある犬の物語‐』

すでに逆算の人生、ぼくが死蔵、塩蔵しているよりも誰かの役に立つこともあるだろう、と蔵書の…

かんじい
1年前
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『大きな字で書くこと』 三五年近く書き続け、四冊の著作もある。それでも村上春樹を…

加藤典洋さんは、鋭い文芸評論家であった。 村上春樹さんの作品について、三五年、四冊、され…

かんじい
1年前
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椎名誠さんの『遺言未満、』で“死に際”のお勉強。

「カロウト式」とは、墓石の中の骨壺を収める空間のこと。本書を読むまでそんなことも知らなか…

かんじい
1年前
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『やわらかく、壊れる』というタイトルにひかれてしまった。

そこには、ぼくが住んでいた町や、地図でしか見たことのない場所の記憶が大樹の年輪のように刻…

かんじい
1年前
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ハイボール二杯分の短編をひとつ。それも酒場のお楽しみ。

本屋を徘徊する日は、本棚から一、二冊持参する本をピックアップして出かける。 そして、これは!という本が手にはいると、今度は午後早い時間から開いている酒場を探す。 手にはいらなくても酒場は探す。そのために出かける前の本選びにはちょっと時間をかける。きっと、もうその時点で「この本なら、あの店だな」なんてことを考えているに違いない。 先日の徘徊持参候補は、ヘミングウェイの『移動祝祭日』、日本で編集された『カポーティ短篇集』、そしてアリステア・マクラウドだった。 ヘミングウェイ

カズオ・イシグロが応えて云った。「なるほど。おもしろい話ですね。記憶は死に対する…

生物学者、福岡伸一さんから「絶え間なく合成と分解を繰り返し、一年もたてば物質的には別人に…

かんじい
1年前
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お目当ての本は品切れ、いつのまにか外は雨。地下にもぐろうか、駅にもぐりこむか..…

すべてはいたましさから生まれ出るが冷え切った灰ではない。 呉明益著『雨の島』の後記に出て…

かんじい
1年前
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時間が経つと過去の意味は変わる。これが私が「感情の記憶」を嫌っている理由の一つだ…

演技理論「サンフォード・マイズナー・オン・アクティング」の概念のひとつで、画像に映ってい…

かんじい
2年前
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本の“大量虐殺”工場で働くギレンは、『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』

★『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』 ジャン=ポール・ディディエローラン:著  夏…

かんじい
2年前
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本当に『ねこに未来はない』のか。

『ペンギンの憂鬱』、『カモメに飛ぶことを教えた猫』と、なんだか動物モノがつづくなぁ、と思…

かんじい
2年前
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『カモメに飛ぶことを教えた猫』の著者は、三人の息子になにを伝えたかったのだろう。

書評には“愛と感動と勇気の世界的ベストセラー”、劇団四季の新作ファミリーミュージカルと記…

かんじい
2年前
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『ペンギンの憂鬱』ウクライナの憂鬱。

カント先生曰く”人間はもともと邪悪で、放っておくとすぐに戦争をはじめる存在である”。 能天気な不良老人ジュニア(ぼくのことです)は、この星のどこで、なにが起こっていようが、町を徘徊し、昼酒をぐびっとやりながらページをめくる。  そして、また目覚めれば目の前に溢れかえるリアルとフェイクを払いのけ、いつものように本を片手に町をうろつく。 時々は思う。お前が手にしているその本、そいつにこの世の真実は書かれているか? 新潮社クレストブックシリーズは有難い。 特に七十歳の大台を目