nap 41. 植物の話
みんながみんな
同じもので繋がっていても、
これっぽっちも嬉しくない。
やっぱり、ほんとうは
ちょっと嬉しいのに。
さて、
幼い頃、動・植物園へよく行った。
動物園は好きやった。
園内への入り口をくぐると、どうぶつと、彼らのえさの臭いが漂ってくる。
それだけで、わたしはわくわくした。
対して、植物園。
幼かった私には、何が楽しいのかさっぱり。
うそみたいにデカい食虫植物が不気味やったことだけ、鮮明に覚えている。
けれど今、植物園にとても行きたい。
動物園が好きやった私は、どうぶつと暮らしたいけど、今の自分にはまだ、命を世話する力量がないと思っている。
もし万が一、最悪の事態を想像すると、責任を持つ勇気もないのだ…。
けれどもひとり暮らし、気楽なだけではちょっとさびしい。
ああ、何かをかわいがりたい。
そこで育て始めたのが、観葉植物。
自分の世話も未熟な私に、果たして他の世話ができるのだろうか。
まずは葉っぱから始めてみようという思惑だ。
私の観葉植物生活は、
決心して迎え入れた一鉢から始まり、年々少しずつ進歩している。
葉っぱたちの世話が日々の楽しみになってきた今、植物園に行きたいということだ。
ここで、
今育てている植物たちを紹介させてもらおう。
まずは、葉っぱ部門
やわらかい緑に
クリーム色の模様がお洒落な葉っぱ
はっきりしたピンクに
緑のラインがかっこいい葉っぱ
硬くて真っ直ぐ上に尖った緑のかっこいい葉っぱ
トゲトゲの小さな双子
土の要らないかわいい葉っぱ
葉っぱたちはみんな、緑を基調にしつつ、色味や形、差し色で個性がたっている。素晴らしい。
加えて、最近始めた
お花部門
にょきにょき伸びる双葉が頼もしい朝顔
まだぴよぴよの双葉がかわいいひまわり
お花部門は初めてやけど、種まきからチャレンジ。種まきの時期が遅かったにも関わらず、元気に育ってくれている。素晴らしい。
毎朝、起きて一番に、
毎日、帰って一番に、
お花チームの様子を見ている。
まだつぼみも付いとらんけど、毎回様子が変わっていって愛おしい。
昔は、草花の良さが全く分からんかった。
どうぶつの方がどう考えたって魅力的やし、動くし、かわいいし、反応があってたのしい。
それが今では、日々の楽しみになっている我が家の葉っぱたち。
何がこんなに楽しいんやろうか?
そう考えながら窓の外をちらり、様子を見る。
あ、なるほど。
これがかわいがるということか。
かわいがったり、何かの世話をするということは、ちらりと様子を見るということかもしれない。
朝起きて一番に、
夜の間に茎は伸びたやろうか、
と窓を開けてちらり覗く。
キッチンで皿を洗いながら、
そういえば、そろそろ水が欲しい葉っぱおるかな?
と気になり、水を止めて様子を見に行く。
寝る前に歯を磨きながら、室内の葉っぱたちにちらり目をやる。なんとなく上っ面を撫で、葉のハリをチェック。
どうってこともないけども、変わりはないだろうかと様子を気にする。そんなとき、かわいがっとるなあ、と実感する。
同じように、洗濯物の様子を気にする時もある。
干した洗濯物が乾いたかどうか、ちらり様子を伺い、Tシャツの脇を触ってみる。
こんなときも、なんか育てとるみたいやなあ、と思う。
今日は久々に晴れたので、
ベランダのお花チームにじゃんじゃん水をやれて嬉しい。
Tシャツもよく乾く。
もっと世話を焼かせておくれ。
では、また
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