見出し画像

コブのポジション

「フラットバーンではうまく滑れるのに、コブではポジションが崩れます」
そんなポジションについて質問を受けます。今回はレッスンでいただいたポジションに関する質問を回答形式で答えていきたいと思います。

Q1.コブの中では前加重?

【回答1】コブがないフラットバーンを想定して、それに対して垂直に加重できるポジションがベストです。

フラットバーンに対して重心が後ろになっているならば前加重にしたほうがいいです。
しかし上半身が潰れて衝撃を受けているならば、少し後ろのほうがいいかもしれません。というよりも、上半身を起こすといった方がわかりやすいと思います。でも上体を起こすことで重心が後にろになってしまうなら、やっぱり前加重がいいです。

コブのポジション①

(青線はゲレンデと垂直のラインです)

また似たような質問で、「前傾or前加重とは常にブーツのタングを押すこと?」とも聞かれます。
確かにブーツのタングを押せば前加重になるかもしれません。しかし「タングを押す」という表現は爪先立ちでもできます。爪先立ちでは不安定でバランスを崩しやすく、力をダイレクトに伝えることができません。

コブのポジション②

言葉のニュアンスの問題ですので教える人によって表現が異なると思います。
僕はシンプルなイメージが良いと思いますので「足裏を感じて足首を曲げてみてください。」と伝えます。タンを押すことを意識しなくても自然とタンを押せていると思います。次に滑りに行ったときに試してみてください。

そしてタングを押すためには足首が曲がりやすいブーツがいいと思います。

Q2.コブの中で体が遅れないポジションは?

【回答2】基本的にフラットバーンと同じポジションです。
フラットバーンにコブがあるだけで、頭の位置を変えないように衝撃を吸収します。
しっかりコブのタイミングを合わせて下半身の力を抜いて吸収しましょう。

コブのポジション③目線

しかし実際にコブの中では、エッヂングしながら吸収するので難しいです。忙しくすぎて意識できません。

そこでオススメの練習方法はウェーブです。
ウェーブはピッチが広く緩斜面に作られていることが多いですので、タイミングを合わせやすいです。またクロスコースのように連続するウェーブは、大回りターンでエッヂングしながら吸収する練習もできます。中回り→小回りできるウェーブとバリエーションがあれば最高ですね。

Q3.腰が痛くならないポジションとは?

【回答3】腰は動きますが、なるべく少なくします。
構造的に腰は動くことは得意ではありません。
それが過剰に動くことで腰に疲労が蓄積してしまい、朝起きたときに伸ばしにくかったり、張り感や痛みの原因につながります。

スキーで滑る時は、下半身の股・膝・足関節をバランスよく動かすことが大切です。
しかしながらスピードが速すぎたり急斜面で腰が引けてしまっても、疲労などで下半身の関節の動きが悪くなっても、体幹を安定させなければならないので腰は過度に緊張してフラットバックと言われる姿勢になりやすいです。すると、代償的に腰で曲げてしまいます。(圧迫骨折が多く負担がかかりやすい胸腰椎移行部で曲げることが多いです。)

コブのポジション④胸腰椎

また「上体を起こして滑る」「骨盤を前傾させる」など、フォームを意識しすぎて滑りがカチカチの人に見られますが、腰の筋肉を過度に緊張させてしまいます。

過度な骨盤前傾ポジションは腹圧が前に逃げてしまうので、体幹を安定させるには腰周りの筋肉を強く緊張させなければなりません。
また骨盤前傾によって連鎖的に反り腰になってしまいますが、腰は圧迫負荷に弱いので、反り腰でコブの衝撃を受け続けると椎間板の圧力が高まってしまい腰痛の原因になります。(下図右)

腰椎の圧迫ストレス


腰に負担をかけないように体幹を安定させるためには骨盤と横隔膜が平行になるポジションがベストです。(上図左)
無理に筋力で固めようとせず、お腹の中の風船を上下から潰すイメージで腹圧を高めます。これには専門のトレーニングが必要ですが、過度な緊張を解き、リラックスできれば自然に体幹が安定するポジションに近づくはずです。

何より、腰に怪しい兆しを感じたら休むことが一番です。そして治療家やトレーナーなど専門家に体を見てもらうことがベターだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?