宇宙について

 宇宙が膨張していることは、夜空の星を観測することでわかります。遠い星ほど、その距離に比例して、地球から遠ざかるスピードが大きいのです。その比例定数は「ハッブル定数」と呼ばれます。「星の遠ざかるスピード(速さ)」=「ハッブル定数」×「星までの距離」です。
 「遠ざかるスピード」は、光のドップラー効果で正確に測定できます。救急車が遠ざかるときに音の波長が伸びるため、振動数が小さくなり、低い音に聞こえるように、遠ざかる星の光も波長が伸びて、振動数が小さくなるのがドップラー効果です。

 一方、「星までの距離」の測定は非常に難しい。そのため、ハッブル定数は、以前はかなりの誤差がありました。

 さて、

「星の遠ざかるスピード(速さ)」=「ハッブル定数」×「星までの距離」

の式からだけでも分かることがあります。

まず、「スピード」は、例えば、時速100kmというように、ある特定の時間に進む距離のことです。つまり、「長さ/時間(=長さ÷時間)」ですね。

次に、「距離」は、当然、「長さ」です。そうすると、

「星の遠ざかるスピード(速さ)」=「ハッブル定数」×「星までの距離」

は、「長さ/時間」=「(ハッブル定数)」×「長さ」なので、

「1/時間」=「(ハッブル定数)」

ということになり、ハッブル定数は、「1/時間」であることが分かります。つまり、

「1/ハッブル定数」

は「時間」です。宇宙が広がるスピードと関係して、かつ、時間をあわわすの量なので、この「1/ハッブル定数」はおおよその

「宇宙の年齢(宇宙が始まってから今までの時間)」

を意味するのです。

「ドップラー効果」と「距離」から「宇宙の年齢」がわかるなんて面白いですよね。

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