三者三様 続編

前回の提案からどのようになったかのご報告です

​エンシェアHを薄めて摂取だけでは残念ながら、下痢症状は改善しなかったので、私の提案が採用になりました。

私の薬学的判断

エンシェアH 1本→ラコール 2袋 分2                これによって、浸透圧による下痢症状の改善と水分摂取量増量と摂取カロリー増加を狙いました。

ウルソデオキシコール酸中止  これは、そもそも脂肪肝治療で服用を始めたようなのですが、肝機能数値は問題なく、もはや治療する状況ではなくなってきたのが一つ。

もう一つはウルソデオキシコール酸は胆汁分泌を促進します。人間は脂肪分を摂取すると胆汁酸が出ます。エンシェアH摂取で脂質に反応して胆汁酸が出ると思いますが、ウルソデオキシコール酸服用のため、胆汁酸が多く分泌されるのではないか?と考えました。多く分泌された胆汁酸は、腸肝循環で回収できず、大腸まで到達。大腸で胆汁酸は腸管運動促進と水分分泌を促進。その結果下痢症状になると推測しました。

要するに、グーフィス錠的作用を発現すると仮説をたて、Drに提案しました

Drも納得してくれました。途中で「グーフィスと同じということね、なるほどぉ」と一番おいしいところを持っていきました(笑)

1週間後の患者の状態

便秘になりました( ゚Д゚) -4日目と言われました"(-""-)" ほぼ水様便から便秘って・・・

出にくくなるかもなぁとまでは予測してましたが、上をいかれました。

薬が人の体内でどんなことが起こっているかは神のみぞ知る、と狭間社長の言葉を思い出しました。

とはいえ、解決策を考えないといけないので、ラキソベロン液いくか、潤腸湯いくか、と考えました。

ここでDrが、「エンシェアHとラコール交互に飲ませようか?」と言われました。エンシェアHの副作用を利用しようということです。なかなかの荒業(笑) レセプト的な問題は私が入れ知恵(交互に処方する)することでたぶん解決したということで、昼ラコール 夜エンシェアHで経過を見ることになりました

その後の患者の状態

現在は排便もほぼ毎日あり、ブリストルスケール4~5だそうです。 

これで栄養状態が改善し、患者さんの少しでも長く施設で生活を続けたいという思いの手助けになればと願う。

私は、薬剤師であると同時に人でありたいと考えている。患者さんの希望、思いに少しでも応えられるよう今後も続けていこう


ちょっと本音

古い薬のエンシェアとウルソデオキシコール酸でこんなに大変な思いをするとは思わなかったです。薬ってムズイ 奥深い 

ウルソデオキシコール酸の仮説間違ってたらご指摘お願いします












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