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認知科学に基づくコーチングとは ②コーチの役割

1つ前のnoteで、飛躍的な成長を遂げるために必要な、脳の情報処理システムの変更について書きました。

脳の情報処理システムの変更とさらっと書きましたが、無意識レベルまで落とし込まれたシステムを変更するのは簡単なことではありません。
さあここで脳の情報処理の仕組みを理解したコーチの出番です。

Want toとHave toの探索

コーチがお手伝いするのは、Have Toをとっぱらった本音の欲求(Want To)に基づくゴール設定です。
私のロシア語学習に関するnoteにも書いたように、ひたすらWant Toを追求して生きてきたつもりでも、知らず知らずのうちに背負っているHave Toがあります。
コーチはクライアントとの会話を通じて、本音のWant Toと、それを欲求のおもむくままに追求することを妨げているHave Toが何かを探します。
まだ自分自身勉強中ですが、Want ToやHave Toは、以下のようなことを振り返る中で見えてくると考えています。

■Want To
*親、先生、上司に止められても、時間が経つのも忘れて夢中で取り組んでしまうもの
*やってはいけないと思っても、やらずにはいられないもの
 →今の私は、もっと仕事したら、と言われてもロシア語学習の時間は削れません(笑)。

■Have To
*社会通念:目上の人を敬う、家事は女性が主に担う、夫のほうが妻より給料が多い、とか。
*親からの期待:大学を卒業したら地元に戻って公務員になってほしい、35歳までに結婚してほしい、とか。
*会社での責任:部長として組織のKPIを達成する、部下を成長させる、とか。

Want ToとHave Toが見えたら、ゴール(飛躍的な成長を遂げた未来の自分の姿)設定です。

ゴール設定で重要なこと

ゴール設定のポイントは3つあります。
①Want Toに基づくこと
②達成手段やプロセスが見えないこと
③人生のあらゆる領域に設定すること

①Want Toに基づくこと
これは分かりますよね。
成長するには、自分が大好きなことでゴール設定すると、もっともパワフルに行動が起こせます。
例えば私は、ひたすらインプットした情報を、なんらかの法則に基づいて整理して筋を通すことが大好きです。ロシア語も、多くの単語や文法知識をインプットして整理し、文章の構造や意味を理解することで話せるようになるのが快感です。こういう自分の心からの欲求を感じる領域では、いくらでもエネルギーが湧いてきて、行動が止まらなくなります。

②達成手段やプロセスが見えないこと
これはちょっと分かりにくいかもしれません。
実は前回のnoteには書いていない、もう1つの脳の特徴があります。
前回、脳が目の前の現状よりも未来世界の方を私たちにとって快適な“現状”であると勘違いすれば、その未来世界に向かって現状復帰しようとすると書きました。
脳の現状復帰のパワーは、その未来世界への距離が遠いほど高まるのです。
ゴムの端と端を力いっぱい引っ張って伸ばせば伸ばすほど、元に戻ろうとする力が強まるようなイメージです。

未来世界への距離が遠いというのは、その未来世界にどう到達していいか、手段もプロセスも分からない状態です。
私のロシア語学習の場合、キリル文字も読めない状態で、半年で流暢にロシア語を喋れるようになる、というゴールは、まさにどう実現していいのかさっぱり分からないものでした。
でも、ゴールを設定したとたんに情報収集が始まり、オンラインのロシア語レッスンを受け、毎日スマホアプリで単語学習していたら、1か月も経つと、キリル文字は読めるし、単語や文法も分かるようになってきており、ゴール達成へと近づいています。
このように、どうしても現状復帰したい未来世界に近づくためにどうしよう?!?!という状態になると、脳がいつもは立っていないアンテナを立て、これまで目にしていても、重要ではないと処理されていた情報にも注目するようになり、結果として行動が変わるのです。
逆に、到達するための手段やプロセスが見えているゴールは、今の情報処理を変えずに到達できるものなので、脳はフル稼働しない=無意識の情報処理システムは変わらない=行動も変わらないのです。

③人生のあらゆる領域に設定すること
例えば、あなたは人事部の一担当者で、自社のCHROになる、というゴールを立てたとします。
CHROになったあなたの趣味、付き合っている人たち、家族との関係は、今と同じでしょうか?
CHROともなると収入も上がっているので、趣味にも今よりお金が使えそうですし、仕事の責任がこれだけ大きくなっていたら、付き合っているのも、自社内ならCEOなど役員クラス、他社なら同じくらいのポジションにある人になっているのではないでしょうか。
このように、未来のゴールは、その未来に生きる自分の人生で全方位的に設置することで、よりリアルになり、未来世界全体がバランスすることになるのです。
このような人生全方位のゴール設定に有効なのが、バランスホイールです。
以下の図に示すように、仕事からファイナンスまでぐるっと8領域をカバーしており、私の学ぶコーチングは、人生全方位のゴール設定をお手伝いすることを基本としています。
セッションでもご説明しますが、ファイナンスと美容・健康のゴールは他の領域のゴールを設定した後、最後に設定します。
これは、様々な領域のゴールが決まることで、そのような未来世界に生きている自分の収入・資産や健康・美容状態が決まる、と考えるからです。

バランスホイール図

このゴール設定の3つのポイントは、以下のように表せると思っています。

①欲求の向かう先に(方向)、
②手段やプロセスが分からないくらい遠くに(距離)、
③人生全方位で設定


図で示すと以下のようなイメージ。

ゴール設定3つのポイント

最後に:モニターセッションを受けてくださる方へのお願い

前回と今回の2件のnote 記事で、認知科学に基づくコーチングについてご理解いただけたでしょうか。
モニターセッションを受けていただく方は、本記事と前回のnote記事を読んでいただき、脳の情報処理の仕組みと、私の学んでいるコーチングがどんなものかご理解いただいたうえで、上で紹介したバランスホイールの中のどこか、あるいは複数でも、ご自身のゴール(飛躍的な成長を遂げた未来の自分の姿)について事前に考えてみてからセッションにご参加ください。
セッションでは、Want ToやHave Toも探りつつ、ゴール設定したいと考えています。

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