楽天社員だったことがどう先生をやる上で役に立ったかというと、全く役に立たなかった。

楽天社員だったことがどう先生をやる上で役に立ったかというと、正直全く役に立たなかった。そもそも仕事が違いすぎる。種目が違いすぎる。と思う。場合によっては、むしろ弊害になることすら出てくる可能性がある。学校の先生をやってみて思うが、子どもと向き合うことは効率性とは全く別の次元に存在している。ついうっかり、効率的だったり、数値的だったり、確実的な方が大人で、すごくて、価値があって、と思いがちだけど、そんなものはフィールドが変わったら全然機能しないことだってある。そこを履き違えちゃいけない。そして、そういう抽象的なことを言っていると幼稚だと言われたりする。いやいや、と思う。お前、子どもと向き合ってみろよ、と思う。それでも効率重視!とか言えんのかよ、と思う。現場の先生が、企業の論理が学校に入ってモヤっとする理由の一つはここにあると思う。

ついうっかり、学校の先生たちも「先生は社会のことを知らないんだから」なんて言われて、「はっ確かにそうだ、もっと企業的な考えを学ばなくては」なんて迂闊に思ったりするけど、そんなことはないと思う。餅は餅屋だと思う。恐らく、企業人が思っている何倍も先生の仕事は難しい。どちらかと言うと、先生たちが知ったらいいと思うのは、企業の考えなんかより、社会にも希望を持って働いていきている人はたくさんいて、子どもたちに青臭いこと言って生きていっていいんだぞ、と言える現実がある、ということだと思う。いっそ「大人になったらいかに大変か」を語るような企業人なら、最初から話を聞かない方がいいとすら思う。

つまり、俺たちがやってるのはこの【希望 対 絶望】の戦いなわけで、これが「社会に出てる方が正解」なんて話になってくると、いよいよよくわかんなくなってくる。社会のおかしさを変えることは教育の役割でもある。逆に、先生が「大人になるって大変だぞ」とかいうようもんなら、「いろいろあるけど最高だぜ!」って言ってる企業人とどうぞ会ってください、と思う。つまり大事なのは、希望を持ってていいんだ、と思う機会が増えることであって、テクニカルなことは二の次、ていうか、希望を持って進んでいたら必要な技能は自ずと身についてくる。逆に難しい難しいと思い込んでる人に習ったら、難しくなっちゃうからね。

俺が楽天社員であったことは先生という仕事をする上でほとんど役立たなかった。でも、その2年9ヶ月の中でキラキラした大人やワクワクした仲間と出会えたことは大いに役だった。子どもたちに嘘偽りなく、「ワクワクしてる大人がいるぞ」と言える。実名を出して、必要があればその場で連絡がとれるくらいの距離に。それはとてもよかった。大丈夫、そのままいけよ、と言えた。そんな人たちがたくさんいたことは、俺が先生をする上で大いに役立った。

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この記事を読んで共感してくださった方へ

改めてこの記事を読んでくださってありがとうございます。思っていたより沢山の方に見ていただいたのでこちらを追記します。今、教育業界は大きく変わろうとしています。そして何が正解かわからないところに全員が立っているような気がします。そこで、少しでも教育現場に、子どもたちの周りに沢山の希望が溢れるようなことをしたい先生たちが、大人たちがもっとつながって、その確信をお互いに高めていくことは本当に思っている以上に大きな価値のあることだと思います。賛同してくださる方々にお声がけをし、オフラインでもオンラインでも、皆さんが繋がれる場所をご用意したいと思っています。もし賛同、共感してくださる方がいたらご一報ください。同じようにこの日本の教育現場に希望を増やしたいと思っている方と繋がれたら嬉しいです。

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しらた

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