見出し画像

拉麺ポテチ都知事38「言うこと聞くような奴らじゃないぞ」

7月8日、とんでもないことが起きた。安倍晋三氏の死については悼むことしかできない。もはや戦前の日本なのか、と何とも言えない気分になってしまった。あっという間にメディアはその死を使って宣伝を始め、民主主義への挑戦とか、彼の功績が云々と言っている。

「なぜワクチンやマスクが必要なのか?」という素朴で真摯な懐疑を黙殺し、民主主義に挑戦してきたのは政治家たちだ。そして彼らの追悼発言を美談ぽくメディアが増幅しだす。おかしい。色々なことを考えたが、少なくとも私個人はそう思う。これで「安倍氏の遺志を継ぎ~」というのであれば、私はそれに乗るつもりはない。

言うこと聞くような奴らじゃないぞ!!!!

そう叫びたい。というか心でこの頃いつも叫んでいる。それにしても、このECDのパンチラインをサンプリングした「Moment Joon - BAKA feat. あっこゴリラ, 鎮座DOPENESS, HUNGER (GAGLE), ACE COOL & Jinmenusagi」について具体的に言及した識者はいただろうか。

明らかに鎮座氏によって“ワクチンは不要不急”、HUNGER氏によって“ワクチンならあるよ/でも高いんでしょ?/舶来もので、無料で、ただ打てばいい”と歌われている。それを含んだ“言うこと聞くような奴らじゃないぞ”なのだ。

よってワクチン接種に対する懐疑を含むこの内容をMoment Joonやあっこゴリラ、ACE COOL、Jinmenusagi各氏も共同で発信していることになるが、それについては誰も触れない。ネームバリューのあるラッパーばかりだが、そこは考えないのが暗黙のルールなのだろう。ただ彼らが叫んでいるメイン内容に触れないのは無理がある。

以前書いたケンドリック・ラマー「N95」で歌われているマスク懐疑についても、ほとんど日本語で書かれた記事ではスルー。確かに彼のニューアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』のトピックは多岐に渡るが、この曲をわざわざ数少ないMVにし、アルバムのトップに収録していることから彼の言いたいことは本楽曲なのではないか、という様な考察が出てもおかしくないのに。

Awich「洗脳 (feat. DOGMA & 鎮座DOPENESS) 」の武道館ライブ版もそうだ。ここで彼女は“コロナ、種まき、分割統治”と元のリリックを替えて挿入している。彼女の言っていることは曲のタイトルとトピックからして、コロナにまつわる政治への懐疑に聞こえる。もちろん断定はできないが、そうとしか聞こえない。

これについて言及する人も少ない。もし自分がインタビューする機会があったらこれを絶対に聞く。彼女の乗り越えてきた人生やシングルマザーであることなどのパーソナリティ、女性賛歌にフォーカスするだけでなく、さらに作品に込められた思想や社会へのメッセージをキャッチしたいと思うから。

そしてD.O×Red Eye「悪党の詩 REMIX」にある“戦後最大の死者数を叩き出し/自殺大国のこの国で/今から生まれてくる君へ/こんな世の中でごめんよBABY”というライン。ここはD.O「イキノビタカラヤルコトガアル」を引きつつ紡がれている。

戦後最大の死者数を叩き出してしまったのはなぜだと思うのか? そして「嘘の正義より、真実の悪」というパンチラインを投げたガーシーをフィーチャーした理由は何なのか? これを聞かなくてはならないだろう。

彼らは確かにこの様なことを歌っている。陰謀論者といわれないのは音楽性が優れているからだろうか。だが、それをアンタッチャブルなものにせず、なぜこれを制作したのかを聞き、ともに考え議論できる社会こそ風通しのいい民主主義に根ざしているはずだ。

本当に民主主義が試されているとするなら、封殺されがちなトピックに挑んだアーティストのリリックを再考してほしい。そして選挙に行こう。

もう一度言う。

言うこと聞くような奴らじゃないぞ

活動継続のための投げ銭をいただけると幸いです!