疾病恐怖

河村尚弥です。今回は疾病恐怖(しっぺいきょうふ)について書かせていただきます。よろしくお願いいたします。

社会人になった頃に加害恐怖に困っていたことは前回書かせていただきました。

小学生の頃からの確認強迫、高校生からの不潔恐怖にも大変苦労していた時に、加害強迫、そして、次に疾病恐怖に苦しみました。

その頃、車の中の消毒があまりにも止まらずに、車を捨てようかなと思ったほどに、強迫症状がしんどかったです。

「病気になるのではないか」という不安

 
ある日突然、当時注目されていたある感染症に罹患するような不安を抱きました。病気になるのではないかと不安で、急に床屋やクリニックや病院、銭湯や温泉に行けなくなりました。

血液のイメージがしました。クリニックや病院では採血をしているので、微量な血液があちらこちらに残り、うつるような感覚に陥りました。
床屋もひげを剃るので血液が微量に存在しうつると思いました。銭湯、温泉には剃刀でひげを剃るのでやはり血液が残っている感覚に陥りました。

だんだんとその症状が進行してしまい、床屋、クリニック、病院の前を通るだけで全身が血液で汚れる感覚になりました。車を運転していてもそれらの建物に出くわすと車が血液で汚れて、自分も血液で汚れてしまう感覚に支配されました。

病気に対する偏見は持っていないのに…

当時も今も病気に対する差別や偏見は持っていません。困りました。本当に困り病気について詳しく説明されている本を3冊購入し読みました。正しい知識を頭に入れることで治そうと考えました。しかしいくら正しい知識を頭に入れても、症状は良くなりませんでした。

児童養護施設に勤めていた時期がありました。子どもたちと一緒にあるご病気の方々が暮らす療養所を訪問しましたが、そのときもまた、自分も病気になるのではないかといった思いに支配されてしまいました。施設で経営しているクリニックの医師に相談しましたが、何も解答はなく、漢方薬を処方されただけでした。

疾病恐怖に陥った時は帰宅すると玄関で全部衣類を脱ぎ透明なポリ袋に入れて、シャワーに行き入念に洗いました。歩いたコースの床は消毒し、衣類は洗濯機で何度も洗いました。

現在の私からーいろんな強迫症状が同時に起こりとても大変だった

強迫症状が起こるのには何か理由があるのだろうかと考えてしまいますが、原因はないのだと思われます。原因を解明しようと注力することは、症状が固着するだけだと思います。

「何か原因がありました」となると「そのせいだ」となり、人は安心すると思いますが、強迫は背景に、「この出来事があったから、今この症状がある」といったものではなく、ほとんどの場合、それはきっかけだと思います。
こんな出来事があり、それをきっかけに症状が出た、ということでしょう。

疾病恐怖も、「避ける」「回避する」「洗う」といった行為をすると悪循環に陥り、悪化します。強迫観念に騙されてそれらの行為をしないことです。

苦手なものに出くわしたときにはそれを回避する行動に移らず、その恐怖に突入していきます。苦手なものを前にしてじっと耐えることに慣れていくのです。それを、「森田療法」という治療法の中では、「恐怖突入」といいます。恐怖突入は、慣れるまで繰り返し行うのが教えです。

「行動療法」という治療でいえば、段階的に苦手なものにあえて立ち向かい(曝露法)
これまで不安を下げるためにしてきた強迫行為をあえてしない(反応妨害法)
ということです。

今日も読んでくださりありがとうございました。次回は、疾病恐怖の続きを書かせて頂きます。

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