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誰でも簡単に作れる!動物用採血練習キット

3Rの原則と言われるものがある。
環境の3Rではなく、動物実験においての3つのRの原則を提言した。

人道的な実験技術の原理:The Principles of Humane Experimental Technique
・Reduction  (削減)
・Replacement  (代替)
・Refinement     (改善)

Reductionは過去の論文を利用するなど重複する実験をなくし、動物の使用回数を減らすこと
Replacementは動物そのものを利用するのではなく、培養細胞を使用する等の代わりのものを使用して実験を行うこと
Refinement は実験中も動物の痛みや苦しみに配慮し改善された方法で実験を行うこと

EUでは動物実験による化粧品などの製造は禁止され、その影響を受け日本の化粧品メーカーは、In silico(構造からコンピュータ上で行う評価)や
In vitro試験(試験管の中で細胞などを用いた試験)などといった
Replacementとして代替できるところは行い、最終的にはヒト試験を行い製品化していく。

しかしながら大学、専門学校などの教育機関では代替することが難しく、
削減(Reduction)しようとすると
練習に使用する頭数を削減するということは1頭の負担が大きくなってしまう。
このような3Rのジレンマが起こっている。
採血の練習をするにあたっては、生体と練習キットでは少し感覚が違う。
血管に刺さった時のプツッという感覚であったり経験から学ぶことはすごく多い。

市販の採血練習キットを買えばいいじゃないかと言われればその通りなのだが、個人で買うには高すぎる。
(動物用だと30,000円前後くらいだった気がする…)
翼状針のチューブを血管に見立てて、針を刺す練習もあるが、圧がないため擬似的な逆血(血の戻り)がないので生体の感覚とは少し異なる。
採血は左手(逆の手)は添えるだけではダメで、しっかり動物の手足を保持することで採血の成功率が上がるので、持ち方も工夫が必要だ。

そんなこんなで、作成した自作の採血練習キットの紹介である。
お金もかからず、病院にある使い終わったものや単価の安い消耗品で作成できる。
いきなり生体で練習をするのではなく、
まずはシリンジも持ち方やその前準備をしっかりと行い理解し、練習キットで感覚を覚える。
そのような行いが3Rの原則に則った教育ではないだろうか。

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