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本当の度胸。本当の優しさ。

今日読んだ本の中に、印象的な言葉がありました。

度胸試しで橋の上から川に飛び込もうとするが、なかなか飛び込めない男の子がいた。すると、通りかかったクラスメイトの女の子が「大丈夫。あなたは優しい人だから、飛べる。」と言う。

「どういうこと?」と男の子が聞くと、女の子はこう言った。

「本当の度胸がなければ、優しくなれないって思うから」

川上健一「祭り囃子がきこえる」より

その男の子は以前、「コオロギを捕まえてくる」という宿題が出たとき、一旦はコオロギを捕まえたものの、可哀そうだったので逃がしていた。先生には怒られたが、言い訳や反抗を一切せず、罰を受けた。女の子は、そのことを知っていた。

「コオロギに優しくする」ということは、「先生に怒られる」というリスクを負うこと。

これが「本当の優しさ」であるなら、「リスクを負わない優しさは、本当の優しさではない」ということになる。

これは僕の心に響いた。ネコを保護する活動をしているけれど、どこかで「生活の負担にならない程度」とか「出来る限り」とか考えている自分がいる。リスクは負っていない。

果たして、それが「本当の優しさ」と言えるのだろうか?

近所に住む地域猫。可愛いけど、すべてを救うことはできない。もどかしい。

立ち止まって、考えてみる必要がある。

本当の度胸について。本当の優しさについて。

「本当の度胸がなければ、優しくなれないって思うから」

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