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チーム作り事例〜公立中学校1年生〜

参加者の状況

一年生。いくつかの小学校から集まっている。クラスミックスの班構成なので参加者の関係性は全然できていないといっていい状態。元々小学校が一緒だった子とそれなりに近くにいるという状況だった。

プログラム時間

2日間(午前2.5時間+午後2.5時間×2日間)

当日の天候

晴天。長袖上下で過ごすには少し暑い時間もある。午後は日差しに要注意。

目標

参加者の状況や依頼先からの願い・目標をふまえ濵畑が立てた目標

  • 「知らない相手」から「知っている話しができる相手」へ

  • 思ったこと感じたことを少しでも表現して他者へ伝えられるようになる

  • 自分たちの活動を自分たちの考えや行動で作っていく

プログラムのおおまかな内容

1日目午前

  1. ウェスタンジャンケン

  2. すごろくジャンケン

  3. 無言握手

  4. 名前を考える

  5. ピンボール

  6. たこつぼ(自己紹介も)

1日目午後

  1. 自分たちでペア(または3人組)を作る

  2. 共通点20

  3. 「〜と言えば」

  4. トラストリーン

  5. BEAT5

  6. ペアで綱渡り ※ワイヤートライアングル

  7. ※シーソー

2日目午前

  1. 4つの窓(気持ちや状態の確認)

  2. Cゾーンの話

  3. せーの!

  4. 無言握手

  5. ヒューマンノット

  6. ドンジャン

  7. 大縄

2日目午後

  1. ※キャットウォーク(ハイエレメント)

ふりかえり

ご縁があって去年に引き続き担当させてもらう事になった。楽しみにしていた2日間だった。
今回クラスをミックスさせていた事もあり、参加者同士の繋がりは濃いとは言えない状態からのスタートだった。
1日目午前中色々な遊びを行いながら「どういう事に喜んだりどういう事に強い反応を示すのか」を確かめていった。関係性がまだまだ出来ていない時によくあるのだが、「楽しんではいるものの活動が終わるとシュンといきなり火が消える」という状態が起こっていた。
この状態を見て午後からは活動をがらっと変えた。こういう状態が起こる時は、個々のなんとはなしの不安やなんとはなしの様子見の連続で起こる事が多い。だから午後からはあえて特定の参加者同士で丁寧に関わり続ける内容を行った。自分たちでペアを作るという活動をちらっと入れている。「できるだけこれまでの生活の中で関わりが少ないなって思う人とペアになって欲しい(そっちの方がちょっと楽しくなると思うよ)」と語りペアをつくってもらった。
1日目の午後1.〜6.の途中まではほぼ同じペアとの活動を行っている。普段自分自身が行っているファシリテーションの中ではかなりまれな進め方としている。ペアでアイスブレイクをする事自体は午前中にも入れいているし普段も行う事は多いが、「同じ相手とし続ける」というのはそこまで入れる事はなかった。もちろん時間が十分あるのであればその方法は取り入れる事はあるが今回のようなケースの場合では正直その時間はない。
けれど、この子たちの場合「個々人のつながりを丁寧に作っていく方が結果的に集団としての関係性が築きやすくなるだろう」と感じたのでやってみる事にした。
結果としては大成功だった。それまでは遊び自体は楽しんでいたものの他者の存在についてはほとんど意識に上がっていない言動が多くあった。
(例:ふりかえり時の発言「〜というゲームが楽しかった」「勝ったから楽しかった」など)
ときおり「みんなと〜できてよかった」という”みんな”という言葉は聞こえてはいたけど、それは個々人の集まりから構成される”みんな”ではなくて極めて抽象的なふわっとした言葉としての”みんな”として使われているように感じた。とどのつまりそこに具体的な個人が意識されている発言ではないという事。
しかし、ペアで丁寧に活動していくと「ペアで綱渡り」のあたりになると明らかな変化が見られるようになってきた。ものすごく相手の事を気遣って丁寧に丁寧にサポートして進めようとしたり、言葉をかけている様子が見られるようになった。またチャレンジがうまくいかなかった時も「どうする?」「もう一回する?」「じゃあがんばろっか」みたいな感じで意思疎通をしている姿がたくさん見られるようになった。
この姿が出るようになってからは2日目午後のハイエレメントに至るまで、段々段々互いの関係性が育まれていくようなシーンが多く見られるようになった。
他者を「知らないどこかの人」ではなくて「自分と関係のある人」と捉えるようになっていったんだろうなと感じた。
2日目のハイライトは大縄だった。
ここではいくつかの練習問題的な課題をみんなでクリアしてもらった後、本番の課題にチャレンジしてもらった。大縄をただたくさんできるようになればいいのではなくて「正解がなにか探す」という別の要素も入っている課題なので、子どもたちはだいぶ混乱していた。
けれど何名もの子がアイデアを出したり試す中で確実に正解を探し当てるよう進んでいた。途中心が折れかけたり、コミュニケーションがうまく取れず重たい雰囲気になったりもしていたが、最終的にはちゃんとやりきることができていた。はっきり言ってこのタイミングは自分は見ているだけなので、自分たちで課題の答えにすすめるよう地道に努力をしてあの手この手を試していった子どもたちが本当にすごいなと思った。
先生と一緒に大笑いしつつ素直な感動を味わえた時間だった。

今回も新しい試みを色々と行っているけれど、やはり「想像できた」事に関しては「実際にやってみる」というのはその先に繋がっていくらしい。
普段のやり方や安牌を取るなら〜というのも手をしては勿論あるが、そうではなくてこれからも探求しながら進んでいきたい!



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