ヨガとピラティスの違いとは?〜両方実践してきたからこそ見えるその違い〜
ヨガとピラティスは似ているようで似ていない、似ていないようで似ている。
フィットネスクラブでもヨガスタジオでも両方のクラスが展開されていることが多いですね。
そもそも何が違い何が一緒なんでしょうか?
僕はヨガは約14年、ピラティスは約12年実践してきました。その中で、見えてきたことをまとめて伝えたいと思います。
【歴史】
ヨガは紀元前からの歴史があります。3000年とか言われます。創始者はもう仮想の人物です。インドのパタンジャリという方?象徴?がヨガとアーユルヴェーダとサンスクリット語を作ったと言われています。ヨガの語源は「ユジュ」といい「繋ぐ、結ぶ」という意味です。
ピラティスはフォゼフ・ピラティスというドイツ人が約100年前に作りました。そもそも考案者の名前です。
圧倒的に歴史はヨガですね。
【目的】
ヨガの目的は「悟り」であり、「輪廻からの解脱」です。その中で、真実を見通す力や、苦しみをなくす方法が手に入りそれを、現代ではストレスマネージメントや健康法として取り入れています。
古典文献は山ほどあり、様々な哲学的思想や実践法解釈があります。指導者は本来出家者や聖人であり、一般市民が触れるようなものではありませんでした。
ピラティスはとってもシンプルに健康体操です。Body-Mind-Spritという言葉をジョゼフ氏は残していますが、心や霊性と言うより元気になろうという感じです。ジョセフ氏が悟っただの聖人になったなどということはありませんし、ピラティスは解脱を求めていません。
【内容】
ヨガには8つの段階があると言われていて(ラージャヨガ)、ざっくりいうと実践では倫理的な部分と、坐法や体操法、呼吸法、瞑想法があります。
ジョゼフ氏は西洋人ですから、ピラティスは西洋医学と親和性があります。いわゆるエクササイズであり、体を強化し動き方を変えていきます。
彼は晩年、リハビリテーションにピラティスを取り入れて欲しいという思いで活動していたそうです。残念ながらそれは彼の生前中には成し遂げられませんでしたが、現在では多くの医療施設にピラティスは1つのメソッドとして取り入れられています。
【それぞれの利点】
ヨガ;
・苦しみを作る原因がわかるのでストレスを生まなくなる。
・心身が鍛えられて強くなる。
・感情や思い込みなどを客観的に捉え飲み込まれなくなる。
・集中力や発想力がつく。
・霊性や自己効力感が高まり生活の質が向上する。
・副交感神経を特に高める方法が多い。
ピラティス;
・姿勢が良くなり万病の予防につながる。
・歩きやスポーツ動作など動きが効率的になり疲れにくくなる。
・体に負担がかからなくなるので障害予防になる。
・腰痛などの不調の改善。
・交感神経を高めアップライトな状態を作る。
ざっと見るとやはりヨガは心身、ピラティスは姿勢と動きという焦点の当て方が違うと思います。
逆にいうと、ヨガの方はフィジカルの医学的な根拠やロジカルな部分は弱く、ピラティスは心という面でそこまで深く追求することはできないという面もあります。
【いいとこ取り】
僕は両方を行なっていますし、指導しています。
なぜかというと、今まで見てきたようにそれぞれ重きを置く点が違うということで、両方を行うことでその利点を得ながら欠点を補えることができます。いいとこ取りということですね。
僕はヨガの方が先でしたので、ピラティスはヨガのアーサナの理解を助けてくれました。元々武道(合気道)をしていましたので、精神性という面でヨガに共感する部分は多く、ある意味「道」としての奥深さをヨガには感じます。
ピラティスはやはりロジカルに体の本来の正しい姿勢や動き方を示唆してくれるという点は価値があります。
理学療法士としては、まさに同じことを医療現場で行っていたので、リハビリテーションの民間版という印象でした。そういう意味で、理学療法士とピラティスインストラクターのダブルライセンスの方は今かなり増えてきていると思います。
そもそも親和性が高いということです。
【裏付けは医学や科学】
少し注意が必要なのは、どちらも経験的な部分で構築され伝わってきたものですので、いわゆる医学や科学による解釈や検証が必要です。
僕の場合は理学療法という背景があるので、解剖学や生理学、運動学の視点で古の知恵を解釈することができます。
やはり経験則を鵜呑みにすることは危険です。特に伝える側になると更に責任が生まれますので、ただそう伝えられているので、、、昔からそうなのでというわけにはいきません。現代の科学でできるだけ客観的に解釈し説明する必要があります。
ですので、僕はヨガを医学や科学の視点で翻訳し、ヨガでは「アーサナアナトミカルアプローチ®︎」としてまめ直し、ピラティスでは「ファンクショナルローラーピラティス®︎」としてまとめ直しました。
これらは新しい流派というわけではなく、古の伝統などを尊敬する気持ちは維持しつつも、現代の科学的な視点で分かりやすく解説可能なものとして咀嚼し、そのような視点で指導ができる専門家を養成しています。
詳細は各HPを参照して欲しいのですが、両方の良いところを見てきてかつ医学視点で、解釈できる自分ならではのまとめ作業だと自負を持って広めています。
今後も、新しい科学的な研究によってよりヨガやピラティス の意義が明確にされると思います。それに沿って、僕もより効率よく社会に役に立つヨガとピラティスを啓蒙していきたいと思っています。
如何でしたでしょうか?それぞれの特徴と違い、大まかですが歴史などを概説してきました。ぜひヨガの経験がある方にはピラティスを、ピラティス の経験がある方にはヨガも体験頂いて、両方の良さを時間しいいとこ取りをしてもらえたらなと思います。
僕のまとめたものはそれこそ理学療法士としての20年以上の経験が盛り込んであるものですから、かなり整理されています。勉強してそんな内容ではありませんので、ぜひ興味が出た方は体験をお勧めします。
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