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なぜ予防運動療法にヨガなのか?

【ヨガとは】

ヨガという名前を知らない人はいないくらい今ヨガはメジャーなものになっています。〇〇ヨガは数えきれず、ヨガ×〇〇という企画もたくさんありますね。

ヨガとは「ユジュ=結ぶ」が語源です。

そういうのもあってか、色んなものとくっつけるのが楽なんですよね。あとスポーツやフィットネスの間みたいなイメージがあって、運動の苦手な人でも手軽に始められるというのも大きいですね。

一般の方にはストレッチと体操の融合的な印象が大きいんだと思います。芸能人や、モデル、ハリウッドスターなど憧れの方々が取り入れているのも人気の理由でしょう。

さて、ではヨガとはなんなのでしょうか?体操?ストレッチ?スポーツ?


元々はインドの出家者たちの修行法として生まれています。

生きる意味とは何なのか?幸せとは?苦とは?輪廻転生とは?

「生きる」とは問いの連続であり、ヒトが「自己」という概念を持ち始めてから、同時に持つこととなった「人生の意味」探しでしょう。ただただ生きるのではなく、自問自答して行くのが人です。


  ・なんで生きてるのか?
  ・何をしたいのか?
  ・何が自分の使命なのか?

その問いは哲学を生み、宗教を生み、そしてインドではヨガを生み出しました。

目的は「モークシャ =解脱」です。少し引いた人がいるかもしれませんが、輪廻転生を苦と捉えるインドでは、そこからの解脱(卒業)は最高の幸せなのです。そしてその為の具体的な修行法がヨガなのです。 

歴史は約3000年前といわれていますが、遺跡で発掘されたものからの推定なので良く分かっていません。ただ、文章として残っているのは紀元前からありますので、少なくとも西暦は優に超えているでしょう。

その修行法の中で、主に肉体的な部分に焦点を当てたものが、現在世界中でフィットネス的に広まっているハタヨガです。ちなみに日本語表記ではヨガですが、インドの発音では「ヨーガ」です。今スターウォーズが思い浮かんだ方、多そうですね、、、。

【ヨガと健康】

ヨガの目的が解脱だからといって、解脱に興味がない人にヨガが関係ないわけではありません。

解脱への道は人の生きるということをとことん探求した先なので、その過程で得られる気付きや変化は、人生を苦なく幸せに生きる為のヒントがたくさん散りばめられています。

例えば、私たちの苦しみを作り出しているのは、「心」です。この心の働きを制御できれば苦を生み出さなくなります。つまり、「苦のない状態=幸せ」の状態でいられるようになるのです。

特にこのことについて語られている書物が紀元後4〜5世紀に編纂された「ヨガスートラ」です。これは195節の詩から構成されていて、師匠から弟子に落語のように口伝として伝わってきたものです。

現在ヨガという定義は、このあたりの書物をベースにされています。ヨガスートラでは、先ほど触れたようにヨガとは「心の制御法」と定義しています。

ヨガが心を制御し苦しみを減らす方法だとすると、なぜ健康にヨガがオススメなのでしょうか?


人生とは、まさにいばらの道です。人災や天災、不運、葛藤、人間関係の悩みなど苦しみを作り出す材料は山ほど揃っています。そんな人生をどうやって乗り切るか、、、。それがヨガという鎧なのです。

ストレス学説が1936年にハンス・セリエから提唱され、また心身相関が科学的に明確になるにつれ、病気や不健康な状態は、体だけではなく心身ともに捉えなければならないとなってきました。

ここでWHOの健康の定義を見てみましょう。

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity. (原文)

参考:日本WHO協会

このように、心身ともにもっといえば社会的にも満たされていることが健康です。ヨガは心身の調整法であり、社会の中での生き方指南法でもあるのです。

ヨガが健康に活きるということが分かったでしょうか。少し言い過ぎかもしれませんが、健康になりたければヨガをした方がいいのです。


【ヨガの実践法】

ヨガの具体的な実践法には大きく4つあります。

  1)浄化法(クリア)

  2)姿勢法(アーサナ)

  3)調気法(プラーナヤーマ)

  4)瞑想法(ディヤーナ)

詳細はまたの機会として、ここではフィットネス的な体操だけがヨガの実践法ではないということを知っておいて欲しいなと思います。

巷で流行っているヨガというイメージは、姿勢法の現代版です。そもそも姿勢であった体操ではありません。

体を鍛えることはとても大切ですが、ヨガの目的は心の制御ですので。あくまでも体を調整するのは前段階と言えます。どんな実践法も最終的には瞑想法に繋がります。

最終的には瞑想しか解脱の境地にはいかないということでしょう。心の制御は脳の制御とも言えるので、消化器を中心として内臓をクリアで、体をアーサナで、呼吸循環をプラーナヤーマで整えたら、最後に脳をディヤーナで調整して行くということです。

よく考えられたというか、様々な身体実験をして辿り着いた方法と言えます。インド人の探究心の強さに唖然とします。よくここまで作り上げたなと、、、。

日本にも、神道の修行法や仏教の修行法がありますが、ヨガも負けず劣らず体系付けられた中々の修行法なんです。

予防運動療法としては、心身の健康にヨガが必要だと思っています。

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