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運動以前の段階の人、、、結構多い気がする〜不器用は障害へつながる〜

スポーツしているんですけど「脚が痺れるんです、、、。」「膝が痛いんです、、、。」。様々な悩みにを持った方が相談に来られます。

体の状態を見させて頂くと、体の歪みや硬すぎる胸郭、時には血圧が高すぎ、めまいもある、、、。

えっと運動以前の段階として、硬すぎですよね。というか血圧不安定ですよ。というかめまいは対応した方が、、、。体の不調は年齢的にしょうがないという感じで放置し、スポーツに興じてあちこち痛くなっている。

もう少し体の声を聞かれた方がいいなぁと思います。

というか、整形外科的な検診が人間ドックなりにないのは問題だなと思います。最近は学校検診に運動器が含まれましたが、それは成人に対しても必要ですよね。

【運動器と医療費】

日本リハビリテーション医学会のシンポジウムで中村耕三氏はこう述べています。

運動器疾患は50歳代以降に急増し、50 歳代は40歳代の約 1.7 倍に増加、60歳代では2 倍を超え、70歳代ではほぼ 3 倍に達する。疾患としては、骨粗鬆症関連の脆弱性骨折、椎間板変性を中心とした脊椎疾患、軟骨変性がその病態である変形性膝関節症や変形性股関節症が多い。運動器の障害は中高年で顕在化するのである。

2倍、3倍です!予防を考えると40代で始めないと遅いという感じですね。もっと早く、30代からできたら更にいいでしょう。僕も中年ですから、実感してます。やっぱり若くないですよ40代からは。

介護サービを受けている方も、運動器は脳卒中、認知症を超えて第1位です。運動器についてはロコモティブシンドローム という名称で啓蒙されています。でも、その検査項目は、、、。

「立ち上がり」と「ステップ」なんですよね。確かに、歩きに直結する項目ですし、一般に広めるにはシンプルな方がいいんですが、、、。

【姿勢が最重要】

僕はことあるごとに姿勢の重要性を説いています。なぜなら、姿勢が動きの基礎だからです。「動き」の前に「姿勢」があるのです。姿勢は「構え」と言います。つまり動きの条件ということです。

この姿勢が崩れていると、そもそも関節は偏った状態となり、筋肉は働きづらい状態となります。それが筋力低下や可動域制限になっていくのです。このメカニズムを明確化しないで、筋力や可動域を測っても残念ながら根本的な問題可決にはならないのです。

一番重要でかつ分かりやすいのは骨盤です。

骨盤が後傾している人が本当に多いのですが、こうなると股関節は伸展位(脚を後ろに持っていく位置)となります。すると可動域は伸展の方に偏ってしまいます。そうなると当然、ステップテストでは歩幅が小さくなります。だって既に構で伸展可動域を使っているからです。

つまり、歩幅が狭いのは筋力低下や股関節の可動域制限ではなく、骨盤の後傾が原因となります。

筋力も同じく、骨盤の後傾位では、空気椅子状態になります。すると大腿四頭筋への負荷が大きくなり、片脚で立とうとすると過負荷で立てなくなります。骨盤を起こすと大殿筋が使えるので立ちやすくなります。

片脚立ち上がりテストも骨盤が原因ということになります。

筋力と可動域を見ているつもりが、実は骨盤の後傾位を見ていることになります。もちろん単純に不活動による筋力低下や可動域制限もあります。中にはまれにです。

このような骨盤後傾の影響から筋力や可動域を見る視点は残念ながら整形外科の医師では気づかないところです。運動の専門家である理学療法士ならではの見方なのです。予防のコンテンツは医師だけでなく理学療法士と一緒に作る必要があります。しかし、ヒエラルキーの存在する医学の世界では中々医師と理学療法士とが共同することは少ないですね。

あくまでも医師がトップで理学療法士は指示に従う下僕です。しかし、予防の世界では逆で、外科は最終手段ですから、一番効力を発揮するのは理学療法の専門的な視点です。

これからは、運動学に基づいた整形疾患の予防を世の中に訴えて理解してもらう必要があります。それが、本当の医療費の削減につながります。

【センスを高める】

先に述べたように、自分の体の状態が分からないという人は多いです。医療者でも腰痛や膝痛は多いですね。理学療法士でもひどい歩き方の人はたくさんいます。

知識があるからといって体のセンスが高いということではありません。

体の声を聞くには練習が必要です。集中力も必要です。つまり、センスを高める必要があります。

その為には、頭だけではなく、実際に体を動かす必要があります。それは武道でもいいですし、ダンスや太極拳などでもいいと思います。スポーツもいいですが、勝負に意識がいきすぎて自分の体と向き合うというよりいは相手やボールと向き合ってしまいますので向いていません。

自分の体と向き合える時間を作ることが必要です。僕はやはり自分がそうであったようにヨガやピラティスをお勧めします。もちろん運動学に基づいたヨガとピラティス です。競争や鍛錬的なスポーツヨガもありますからね、、、。

早い時期から、体と向き合う癖を作ることで、運動器疾患を予防できると思います。これからは、医師におんぶに抱っこではなく、理学療法士、各種のインストラクターが予防医学の担い手としてもっと活躍する時です!

さぁ姿勢を正して、快適に動いて自分と向き合いましょう!

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